リー・敦子さんの「まごころ・ふれあいロスアンジェルス」(99・4・26)

 アメリカ、コロラド州の高校生乱射事件の犠牲者追悼集会が今日4月25日開催された。同時中継のテレビ放送を11歳の息子と8歳の娘と一緒に見た。胸がつぶれる様な痛ましい悲劇。登壇する高校生たちの悲しみ、亡くなった友への想い。少しでも関係者の人たちの気持ちを知り、それを子供たちと分け合いたいと考えたからだ。

 息子のクラス(小学5年)では、どうしたらこの様な事件を防げるかと話し合いが持たれたそうだ。家庭の崩壊、ビデオゲーム・暴力映像の影響など原因は分析されるが、地元のジェファーソン郡の教育長、リトルトン市長、そしてゴア副大統領のスピーチは、人と人との関わり、人間の内面からの変革をして社会をより良く変えて行こうとする、前向きな強い意志を促すものだった。

 女子高校生2人が壇上で、「私たちはこのリトルトン市を誇りに思う」と言うと、「リトルトン、リトルトン」とたくさんの参加者からエールが繰り返された。いかなる悲劇をも、今生きる我々に意味ある事とし、そのために力を合わせて何かを始めようと、この悲しみの街に連帯が生まれたのだ。

 自分の住むこの足元から変えて行こうとする地域(コミュニティー)の発想。日本の地方選挙の後半戦の投票結果を見て、女性市議が1000人を突破したことが感慨深い。先の追悼集会で登壇した、教育長、市長は、共に知力と人間味溢れる人格を備えた女性だった。女性の感性が、地域にやさしい政治を推進し、ひいては、日本の国際化に大きく貢献してゆくものと期待したい。

 「コソボからの難民がロスアンジェルスにも到着する。その準備で今は忙しいけど、本当にやりがいのある仕事に感謝してる」と、移民局で20人の部下を抱える友人のルエラが、つい2、3日前自宅に寄って言った言葉だ。ルエラ・リービーは、彼女の妹が5人目の子どもを出産してすぐ急死してしまい、この子達を離れ離れにさせたくないと、未婚のまま5人の子どもを引き取り育てた苦労人だ。

 黒人の貧しい街で、福祉の世話になりながら5人の妹の子どもを育てることはどんなに大変だったろう。今はりっぱに成人した5人の子どもたちも、途中非行に走ったり、ルエラに反抗したり苦難の連続だったそうだ。それでも、いつも希望を失わずに明るく生きるルエラに、彼女を、また5人の子どもたちの心を全面理解してくれる素晴らしいご主人(ケン)が現れた。 自分の実の子ではないのに、りっぱに子供たちに尽くした夫婦愛。今は、移民局の要職に就き、たくさんの表彰を受けるなど見事に人生を生きてるルエラ。その彼女の、大きな心、深い心が、戦争で国を追われたたくさんの人たちに生き抜く希望の舞台を開いて行く。人と人との心の架け橋になって行く。

尊い命を奪われた高校生たち。しかし、この悲劇がたくさんの人たちの心を、平和へと結ぶ。そう未来を確信して、彼らたちの冥福を心から祈りたい。