NATOの大使館誤爆で緊張深まる中国

土門啓介さんの北京からの緊急報告(99・5・11)

 NATOの在ベオグラード中国大使館誤爆によって生じた反米デモは昨日(9日)も大学生を中心に行われているが、本日も状況に変化は無い。ただし、中国当局は本年が天安門事件10周年に当ることから、連鎖反応を警戒し、大使館地区の封鎖と不用意な一般市民の侵入を阻止するべく多数の治安部隊を投入している。

5月10日朝8時半現在の状況

 市内はいたって平穏、市民生活に影響はない。通勤時にも一般市民は通常どうりの動きである。ただし、米国大使館を中心とする大使館街(日本大使館を含む)については進入路を「交通警察」が封鎖し、大使館車以外は基本的に入れない。治安を維持するために相当数の「武装警察(人民解放軍ではない)」が投入され、投石よけのヘルメット及び盾を携帯している。また公安の当直人員が道路上の交差点に投入されているが、これは市民への治安活動と推察される。

 日本人への影響は現時点で無し、ただし通勤時に通勤バスが当該地区を通過するところはルート変更を余儀なくされている。今朝も交通規制が続いています。昨日は通勤であれば封鎖されている地域を歩いて通りぬけれたのですが、今朝はそれも許されず封鎖地区の周囲を回って職場に来ました。

 昨日(10日)の夕刻に様子を見に行ったところ、デモを終えて帰宅する学生とすれ違いました。恐らく今日もデモは継続されると思いますが、印象としては一般市民を制限しながら学生を入れていることからして、中国政府が裏で組織しているのではないかという気もしています(職場の中国人同僚も同意見)。だとすれば、中国共産党の下部組織である共産主義青年団中央から各大学の支部に指示が下り、今回の示威行動を行っているということになります。

日本人にはとりあえず影響はありません。現在、把握しているだけで私を含め5名の秋田県人がおりますが、影響は無い模様です。

写真左上は秀水地区の大使館街へ通じる光華路の入り口、右上は今朝(11日)の人民日報と北京晨報(朝刊)、いずれも中国政府の見解やデモの様子、学校の様子を伝えています。写真下は米国大使館、日本大使館へ通じる日壇路の入り口。すべて公安によって封鎖されており、中に職場がある人間以外は入れません。