土門啓介さんの「北京リポート」(99・7・4)

北京携帯電話事情1

 久しぶりのレポートになります。冬場にかけては調査出張も少なく、オフィスでの仕事が多いことから紀行文的なものは書きにくいのです。とはいえ、四川省と雲南省にいった原稿が書きかけになっていたりしていますが…。

 さて、今回は中国の携帯電話事情をご紹介しましょう。皆さんは中国で携帯?なんて思われるでしょうね。中国はまだまだ発展途上の国、平均月収1000元の中国人が携帯を持てるのか?方式は?コストは?など、疑問は尽きないと思います。ところが、数字の比較だけで見ますと、日本での携帯電話加入数は4000万を超えたところですが、中国でも最近3000万を超えたばかりなのです。対人口比でいけば10分の1の普及率ですから、大したことはないと思われますが、その普及スピードたるや日本の比ではありません。特に若者の多くが持ち、憧れているのが携帯電話なのです。

 現在、中国ではアナログ、GSM、CDMAという3つの方式が採用されています。アナログは既に過去のものですからここでは紹介しません。またCDMAは最近、日本でもスタートした音質の良い方式ですが、これも現在は北京、上海、西安の3都市のみのネットワークですので、今回は割愛します。そこでGSM方式です。これはヨーロッパ標準のデジタル携帯ですが、日本の携帯方式とは異なりますので、日本の携帯電話を
持ってきても、もちろん通じません。私は数年前にPHSを出張の際持ってきたことがあり、それを中国で電源オンにしたところ、もちろん「圏外」という表示が出て納得したことがあります。

 さてGSM方式ですが、これはSIMと呼ばれるカードに電話番号などのユーザー情報を記憶させ、そのカードを携帯電話に指し込むことにより使用が可能になります。つまり、他人の携帯電話に自分のSIMカードを指し込めば、自分の負担で電話がかけられるというものです。また中国最大手の「中国電信」はヨーロッパや東南アジアの多くの国とローミング(自動乗入れ)をしていますから、自分の携帯で料金は高めでも各国で使用ができます。ですから中国で携帯を買う場合はエリア面積の広さから言ってもGSM方式ということになります。

 広い中国のこと、公衆電話もそんなに多くないですし、携帯は便利だから買おうと思いきや、ハードである携帯電話の価格は日本と比較しても異常に高いのです。確かに安いものは1000元以下(それでも1万5千円)のもありますが、型落ちの機種や機能が制限されており、人気はないようです。また超小型で高級なものは6000元以上(9万円)、よく売れている価格帯が1500元から3500元ですから、日本のようにせいぜい最新機種が1万ちょっと出せば買え、2,3ヶ月後には無料になることを考えれば贅沢品に思えます。それでは、この携帯電話、値段がこうだから持てる人は少ないのでは?と思うのですが、上述のように既に3000万人が手にしているという事実のとおり、若者でも当たり前のように持ち歩いているのをよく目にします。我が事務所の中国人スタッフも持っていますし、路上、カフェ、食堂など至る所で老若男女が片手に話しているのです。

 ここで問題になるのがマナーですが、タダでさえ声の高い(大きい)中国人のことです。道で大声で話しているのは大体が男性、それも公共の場で話しているのは中年以上の男性です。例えばレストランで「アー、俺々、今○○で飯食ってるから来いよ」などと人目もはばからず話しています。元来、レストラン内が中国人の会話でうるさいくらいですので、それ以上の音量で話しているわけですから、隣に座られた日には目も当てられません。女性は結構遠慮して、バスの中でも「今、車上だから」なんて言っていますが、それでもまだまだマナーを守るという感覚には程遠いですね。

 
次回は加入費用や通話料等についてお伝えしたいと思います。