ミネソタ、コロラドの仕事を終えてサンノゼにもどってきました。結局、土曜日は留守中の仕事の整理の為に出社、日曜日も半日ほど仕事でした。月曜日からはカナダのバンクーバーに滞在、その後、アメリカに戻って、シアトルで仕事を片付けてサンノゼに戻ってくる予定です。
既に8月にはアリゾナでの仕事も入っています。どうやら、この夏もバケーションはお預けになりそうです。いつものことなんですが、なぜか外に出かける仕事は時期が集中してしまいます。
昨日の朝からニュースはケネデイーの子供が小型機事故で行方不明になっている報道ばかりです。ケネデイー家はアメリカの名門(?)と云うことからか?映画スターや歌手以上に話題になってしまいます。
さてこれまでに診療所、歯科医、薬局と続いたので、今日は病院について書いてみたいと思います。私自身は健康なせいか(?)、実は日本でもアメリカでも入院の経験がありません。家内の経験から書きますので多少不正確なことがあるかもしれません。
アメリカの病院は救急患者以外の一般診療をほとんど行いません。診療所は病院を利用して、高度な診断設備による検査などを行いますが、病院自体には一般診療の為の医師は、ほとんどいません。特殊な手術を除き手術も大抵は診療所の専門医が自分の患者の手術をするのに病院を利用すると云うのが普通です。
入院が必要な場合は診療所から病院に予約が入り、指定された日時に病院に出向いて入院手続きをする訳です。病院にとって重要なことは保険会社の保険条件、支払いをどうのようにするか?、誰が支払うのかなどと云う質問がたくさんあります。手続きが終了すると、最初に本人の名前ともろもろの整理番号が印刷された封印のあるバンドが片手にはめられます。患者の名前、治療目的、その他の情報はこのバンドから読み取れるので、医師や看護婦が見れば日本で起こったような手術患者の取り違え等の問題は避けることが出きると思います。次に控え室で待っていると介護人が来て、どう云う訳か?本人は歩けても車椅子に乗せられ、自分の病室につれて行かれます。病室は普通2人部屋構造で、テレビと電話は各病室に置かれ患者はいつでも使うことが出来ます。また、トイレとシャワー室も各病室についています。病室の雰囲気はやはり独特のものがありますが、部屋そのものは病室で無かったらホテルの部屋の構造とよく似ています。
入院患者の衣類は下着以外全て病院の支給となりますので、入院中は個人のパジャマとか寝巻きのようなものは着用が出来ません。したがって病室に持ち込めるのは下着類とタオル、洗面具などわずかなものです。
さて入院すると、早速、検査や投薬が始まる訳ですが、手順や検査内容は既に診療所の担当医師が指示をしてあるので、そのとうりに進められるのですが、血液を採取する人はその仕事だけ、脈拍や体温その他のチェックをする人もそれだけ、注射、投薬もそんな感じで、日本のように同じ看護婦さんが一人の患者に対してほとんどのことをするのに対して、極端に担当が分業化されているせいか?、初めはどうなっている
んだろうと戸惑ってしまいます。(ここで本人を確認するバンドの価値が出てくる訳ですが)それらの結果があがった頃、診療所の専門医が部屋に来て、患者を直接診たり、症状や治療の説明をしたりします。
したがって担当の医者は一定の時間、自分の入院患者を診るために病院に立ち寄るスケジュールが組まれており、その都合から病院の一番便利な駐車場の場所は医者専用として空けられています。
面白いのは病院の食事は毎日何種類かのメニューがあり、患者が選んで注文できることです。無論、食事制限がある患者の為にも、それなりのメニューがありますし、宗教上の理由で食べられない材料がある場合、それを考慮したメニューが用意されています。まあホテルの食事とはいきませんが、値段の差でそれなりの食事が出来ます。
患者の家族の付き添いなんですが、完全看護システム上、認められません。面会時間も大抵、午後だけに限られています。逆の言い方をすると、患者に対する家族の負担は最小限にとどまる訳です。
アメリカの病院の場合、日本のように長い入院をさせられることはまずありません。基本は病院でしか治療が出来ない期間だけの入院であって、後は在宅療養です。ですから盲腸程度の手術であれば手術後3時間ほど病院のベッドで休むだけで、異常がなければ、入院の必要無しと云うことで、その日の内に麻酔がきれて痛い!痛い!と言いながら、痛み止めをもらって、そのまま帰宅させられます。出産も異常が無ければ一晩だけの入院で翌日は子供を抱えて家に返されてしまいます。
日本の人には驚きのような話なのですが、投薬だけの治療になった場合や末期症状の場合、病院に入院する必要は無いと云うことで、自宅療養となり定期的に診療所に出向くか、看護婦さんの派遣を受けることになります。
さて退院なんですが、これも本人が歩けても病院の玄関までは例の看護人が患者を車椅子に乗せて送ってくれます。ですから患者は車椅子に乗せられて玄関まで来て、玄関からは自分で車を運転して家に帰るなどと云う妙な場面をよく見ます。
病院そのものがアメリカ人にとって、もう一つ大事な事はパスポートなどを申請する場合、自分の生まれた病院から出生証明書を発行してもらい、それをアメリカ人である証明として提出する訳です。戸籍謄本や住民票が存在しないこの国では病院から発行される出生証明書が国籍に関して出生国主義をとる立場から、唯一、アメリカ人であることを証明する原本になるわけです。
退院すると1−2週間して請求書が届きます。この請求書がいくつも届くので驚くのですが、病院から請求されるもの、検査費用、医師から請求されるもの等など4−5種類の書類が別々に届くのに最初は戸惑います。無論、保険が効けば個人の負担はわずかなもですが、保険が効かぬ状態での入院は大変な金額になってしまいます。アメリカは医療費を何とか押さえ込む為に民間の保険会社は大変な努力をしている訳ですが、逆にその保険会社の意向で適切な治療が受けられないなどの問題も起こっており、医療費にかかわる問題と云うのは日本に劣らず国家の悩みとなっています。
では岩間@サンノゼ