岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(61)財布の中身」(99・7・26)

 出張で立ち寄るどこの空港もバケーションの旅行者で賑わっています。私の場合はバケーションは今年もお預けのような雰囲気です。もっとも本音はバケーション旅行に飛行機の旅と云うのは遠慮したいところです。

 今日はアメリカ人の財布の中身の話をしてみます。この話はアメリカ人のごく普通に暮らす人達の例をあげるだけですから、大いに個人差はあると思いますので了解してください。

 ご存知かも知れませんが、アメリカの生活の中で使う紙幣は1ドル、(稀に2ドル)、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル札等です。アメリカの紙幣は額面に関わらず同じ大きさで、印刷色も同じであることから、初めてドル札を使う人には区別がつきにくいと聞いています。日本でドルに両替すると銀行窓口から50ドルとか100ドル札が当たり前のように出てきますが、以前より流通しているとは云え、この50ドルや100ドル札をアメリカ人が生活の中で利用することはほとんどありません。日本人観光客がこの種の高額紙幣をよく使うため、アメリカ人の中には100ドル札は日本で印刷しているのでは?なんて冗談を言うぐらいです。

 ハワイ等の日本人の多い観光地は別ですが、ハンバーガーなどのファーストフード店ではレジに20ドルまでの紙幣しか受け取りませんと書いているところや、客が100ドル紙幣を出すと店員は店のマネージャーを呼んで、受け取って良いかどうか?の確認を取る等、100ドル紙幣は非常に使いずらいお金で信用度も低いようです。一説では海外から100ドルの偽札が米国内に沢山持ちこまれているとか、麻薬取引にしか使われない紙幣で、信用できないとか言われてます。そんな訳で生活の中で使われる最大額の紙幣はもっぱら20ドルと云うことになり、生活感情として20ドル以上の値段の商品は普通、高いと感じてしまいます。(小型車のガソリン満タンで20ドル弱と云う感覚です)

 一般的にアメリカ人は現金をあまり持ち歩きません。会社に出勤する時に財布の中に100ドル(まあ一万円と云う感じでしょうか?)入っていれば沢山持っているほうで、40−50ドルもあれば普通以上、20ドル以下しか持っていない等と云う人も珍しくありません。現金をあまり必要としない背景には財布に現金のほか個人小切手とクレジットカードを持ち歩く習慣から生じているのだと思います。スーパーでもデパートでも、レジでの支払いに現金を出さず、個人小切手に支払い先と金額とサインを書き込み作業をしている買い物客が目立ちます。中には買い物額より大きな金額を書きこんだ個人小切手を作って、おつりに現金をもらうなんて客もいます。

 車や家具等の高価商品の購入や税金、公共料金支払いの類まで、この個人小切手で済ませてしまう人が多いのですが、なぜか?レストランだけは、この個人小切手を受け取りません。また、毎日のランチに利用するような安いレストランでは15ドル以下の金額ではクレジットカードは使えませんと規定している所が多く、外食のランチだけは個人小切手もクレジットカードも使えないと云う訳で現金が必要になってしまいます。外食のランチ代は一人せいぜい10ドルですから、一日の生活の中でランチ分のお金プラスアルファー(20ドル)ぐらい持っていれば特に不自由はないと云うことになります。またランチを家から持ってくる人達にとって現金は必要ないことになってしまいます。

 加えて、ビジネスでの夜の会食と云うような習慣も無く、同僚とアフター5に立ち寄るような飲み屋も少なく、車通勤なので飲酒を避ける傾向にあること等、現金を多く持ち歩く習慣が薄らいでしまう多くの理由がありそうです。そんな訳でアメリカ人の懐具合と云う意味では、ほとんど空っぽと思った方が良いでしょう。

では

岩間@サンノゼ