こちら編集室「来年2月に託して」(10月29日)

  秋田市の高杉静子さんが運営されているホームページ「あきたNEWS(http://www.hana.or.jp/~shizuko/)」がある。秋田のニュースを機転を効かせた独特のタッチと短文でまとめ、その小技にいつも感心させられてしまう。こちらはいつも延々と長文の記事を書いているだけに、正直言って高杉さんの短文で、要領よく記事をまとめられる才能には参っている。その高杉さんとはこれまで何度かお会いした。理知的で素晴らしい女性だと思う。

  その「あきたNEWS」のゲストブックで秋田県南日々新聞が話題になっている。ケンニチのヒット数20万を超えたのを記念して、来年2月に行われる西木村上桧木内での「紙風船上げ」行事ではケンニチの名前の入った紙風船を上げようと言うのである。この話題、8月ごろにどなたかかが静子さん(以下shizukoさん)に提案された。それだけでも嬉しい話だが、その後、その話しも消滅したかと思っていたら、26日になって再び角館町の「みやもど」さんが「あきたNEWS」のゲストブックに「紙風船の件」と題して「8月ごろに少しお話しのあった『ケンニチ100万Hit記念紙風船』の話なのですが、私の西木村の親戚にお話しを伺ったところ、紙風船を1発打ち上げてもらって、2万円〜7万円くらいとのこと。『まあ、依頼する人の気持ちですから』とのことで大体4万円〜7万円くらいが相場のようです。本気で打ち上げるということで、事務局をやれというならば、引き受けてもかまいませんが・・・」との書き込みが登場した。

ケンニチのアクセス数は7月30日に「20万」を超え、現在までに23万7000件と確実に伸びている。20万ヒットが「みやもど」さんによって「100万Hit」になってしまったのはまあ一つのジョークとしたいが、それからのshizukoさんの「あきたNEWS・ゲストブック」への反響が嬉しい。

  まず「みやもど」さんからの呼びかけに早速、shizukoさんが「いつから、100万ヒットになったのかな・・・。でも100万ヒットも夢ではないですね」と応じ、さらに「(1)口座を開いて寄付を募る。一口2千円ぐらいかな。25人で5万円。50人で10万円。(2)デザインは我らがドラちゃんにお願いする。(3)当日の参加申し込みを募る。一泊二日。日帰りも可。(4)事務局はみやもどさんにお願いする。会計監査、私、立候補しま〜す」と受ける。

  果たしてどうかとその後の展開を見ていたら九州・佐賀のankouさんが「ケンニチ紙風船  揚々」の件名で「僕も賛同者として参加させて下さい」、そしてお会いしたこともない「shizuko@隠し子I」さんが「紙風船上げ・・はあい、賛同しま〜〜〜す。2月でしたよね」との書き込みが入った。

  さらに中国の土門さんまでもが早速、これに応じ「紙ふうせん、その日は秋田にいませんが、12月に帰国した際に寄付します」と来る。さらには静岡県のhaseさんが、それを見つけて「待っていましたよ−−」の件名で「みやもどさんとshizukoさんのたくらみがどうなったのかお尋ねしようと思っていたところでした。口座を開設してくれれば送金します。1泊で宴会付きだといいなあ。私は自分の秋田行きの費用を工面しま−−す」と同調する。

  こうしたケンニチファンが自分の紙面ではなくshizukoさんのページを通じて、ケンニチのための「紙風船上げ」の費用を稼ごうと勝手に動き出す。インターネットならではの人と人の輪の広がり。それを見ていて涙が出るほどの感動を受けたのはむろん、自分自身だ。ともかく昨日28日朝は何とも言えぬ感動と喜びに包まれ、居たたまれない思いでshizukoさんのゲストブックにお礼の書き込みをさせてもらった。「ええ。一泊二日の日程でやりましょう。大いに楽しみましょう」と。

  shizukoさんはさらにホームページ「空飛ぶケンニチ−もうすぐ*0万ヒット」を作って紙風船の進捗状況を報告したいとまで言う。読んでいて、雄勝町の重い心臓病の子の移植手術のため募金を募った、あの善意の輪の広がりを彷彿(ほうふつ)させられてしまった。まあ、ケンニチの「紙風船」作りのためにどのくらいの募金が集まるのかは自信はないが、こうした友情に心から応えるためにも資金が足りないなら、来年2月までにこちらもケンニチを通じて上がる少しばかりの収益をその資金としたい。そう思ってこれからも頑張ろうと思う。

  そして来年2月は西木村上桧木内の真っ白な雪の世界でshizukoさんと会い、みやもどさんと会い、haseさんと会い、そうそう西木村にはホームページを持って、全国のお客さんと交流しながら地酒を送り届けている「浅利酒店」の浅利重富さん、久美子さんご夫妻もいる。この方たちとも会える。あるいはいつもチャーミングな文体で「あきたNEWS」のゲストブックに登場している「shizuko@隠し子I」さんとも会えるかもしれない。全く予期しない人との出会いもあるかもしれない。

  その人たちと雪の原っぱで交流し、「紙風船上げ」会場の「お祭り広場」の屋台を巡り、焼きとりや漬物を手にビール、お酒を飲み、ワイワイがやがやとはしゃぎ、「秋田県南日々新聞」や「あきたNEWS」の名前が描かれた「紙風船」がポッと赤い炎を照らしながら夜空高く上がっていく光景を眺めよう。子どものころに返ったような歓声をあげて喜ぼう。雪が紡(つむ)ぎ、人情が紡いだ西木村の「紙風船」。伝統の民俗行事をインターネットという最新のコンピューター技術が生み出し、それによって紡ぎ出された温かな友情の輪を楽しみたい。

  haseさんが言うように「紙風船」が終ったらどこかのホテルを基地に集まった人たちと再び宴会の輪を囲みたい。大いに飲もう。大いに笑おう。大いに喋ろう。大いにはしゃごう。2000年2月。素敵な「小正月」になりそうだ。本当に素敵なプレゼント。shizukoさん、みやもどさん。あ・り・が・と・う。

写真は西木村の潟前公園で田沢湖を撮影した。31日は「アメリカ暮らし」の題名でこのケンニチに70回に渡ってレポートを書いて下さっているアメリカのサンノゼ市在住の岩間郁夫さんがお見えになられる。12人ばかりの小さな会だが、岩間さんを囲む会を開いて歓迎することになった。これも今回の紙風船と同じようにインターネット新聞「秋田県南日々新聞」がもたらした縁である。