国道13号の「玉川橋」を4車線化へ
橋のデザインで市民代表らと意見交換(12月13日・水)
国道13号大曲バイパスの4車線化事業に伴い、大曲バイパスと神宮寺バイパスとを結ぶ「玉川橋」の4車線化も必要になってきたことから、建設省湯沢工事事務所では13日午後から、大曲市のエンパイヤホテルで「玉川橋景観検討委員会」を開いて現橋と平行して建設する新しい橋のデザインのあり方などを検討した。委員会は東京大学工学部土木工学科の篠原修教授を委員長に高橋司大曲市長、今野正彬神岡町長、それに同市在住の郷土史家・池田光氏、写真家・大野源二郎氏、東北地方建設局の水上忠夫道路調査官、折敷秀雄湯沢工事事務所長、先端建設技術センター研究第3部の松田哲夫部長で構成された。
一行はまずバスで玉川周辺を視察、続いて現在、歩道橋として使われている旧玉川橋を歩いて渡って周辺の景観などを目に修めた。
現在の玉川橋は1972年に供用が開始され、延長は700メートル。県内最大の長さとなっている。国道13号大曲バイパスの4車線化と同時に現橋の上流部にくっつけて新しい2車線の橋を建設することになったもので、建設省としては「予算次第だが、平成19年度の『秋田国体』までの完成を意識した工事としたい」と話す。ただ数十億もの工事費がかかるだけにハッキリした見通しは現時点では言えないとも述べた。大曲バイパスの1日の車の通行量は約2万6000台。2車線では限界に達してきたことから、4車線化の事業計画となった。
この日の検討委員会では玉川と雄物川が合流する周辺の風景は姫神山、伊豆山、神宮寺岳を含む山々が地域の景観的シンボルとなっているとし、「人びとの心に残る『原風景』である自然環境を主とし、添景として調和する橋梁景観を実現したい」と建設省側では説明した。そして従来の橋の形として現橋と同じ最もシンプルな「桁橋案」と「アーチ橋プラス桁橋案」、両岸に主塔部を建てケーブルでつり下げる形式の「斜張橋プラス桁橋案」の3つのスタイルを提示した。
第1案の桁橋は水平方向の広がりが感じられ、玉川の雄大さを引き立たせ、明治時代の原風景でもあった日本一長い木橋の印象を再現し、背景の山並みと一体感が見られる風景として落ち着くとの評価があったと委員に説明された。第2案はアーチがシンボル的印象となり、空間が引き締まるが、現橋の橋脚がアーチ下にかぶるため、構造的に違和感を与えるとの指摘があったことを明らかにした。第3案も現橋の橋脚が新しい橋の下にかぶる形になり違和感を覚えるとの評価があったと委員に説明された。さらに第2、第3案とも冬はアーチやケーブルに積もった雪、氷結したつららが落下して事故も懸念されると構造的な問題を指摘する評価もあった。また設計に当たっては現橋の寿命がきたときの架け替えも念頭に入れる必要があるとした。
さらに委員会では橋の長さが700メートルと長いこと、それに眺望の良いことなどの条件も配慮し、橋の上に展望バルコニーの設置も考えられるとの説明もあった。各委員から新しい橋に対する希望や意見が出されたが、写真家の大野氏は「力学的な調和が取れたものは美しさも持っている。とにかく大切なのは事故のない安全な橋にすることであり、橋を使う人、渡る人が楽しめる空間としてほしい」と意見を述べていた。来年2月に第2回検討委員会を開いて橋のデザインなどを決める。新しい玉川橋には歩道も取り付けられるため、橋が完成すると現在、歩道橋として使われている旧玉川橋は撤去されることになる。玉川橋は1881年(明治14年)、明治天皇の東北巡行に合わせ、大渡し船場と小渡し船場に2つの異なる橋が1880年に初めて造られたのが始まり。その後、洪水で橋は流失し、1889年に日本一長い木橋として架け替えられた。そして1932年に今の旧橋が架けられ、72年の国道13号旧バイパス開通と同時に現橋が建設された。