大曲市内のパチンコ店で強盗訓練
景品買取所に押し入り現金を強奪して逃走(12月22日・金)
年の瀬−。何かと気ぜわしくお金も動き、お金に追いかけられるのが師走だ。現金に追い求められ、強盗と言う凶悪犯罪も起きるのがこの季節だ。そうした強盗事件など凶悪犯罪の未然防止を図ろうと22日朝、大曲市花館字中台の国道105号沿いにあるパチンコ店「ノヴァ105」敷地内にある「ぱちんこ景品買取所」を対象にした強盗模擬訓練が行われた。大曲地区遊技組合(鈴木善啓組合長)加盟16店舗の従業員約30人と大曲署員5人が訓練に参加、ナイフを手にしたお巡りさんが強盗犯となって押し入り、現金を奪って車で待機していたもう一人の犯人と共に逃走を図った。
訓練の想定は2人組の犯人が買取所近くに潜み、1人は逃走用の車で待機し、買取所の従業員がトイレに行くため、出入り口のドアを開けた隙にその従業員に刃物を突きつけ、中に押し入って現金を強奪、車で逃走するというもの。
サングラスにグレーのジャンパー姿の犯人が買取所近くに潜んでいると、従業員の伊藤和子さん(51)がドアを開けた。その瞬間、刃物を手にした犯人役のお巡りさんがサッと伊藤さんの首を抑えるように中に押し入った。「ワー。ワー」。声にもならないような悲鳴をあげる伊藤さん。わずか数秒で中から現金をわしづかみにした犯人は走って逃走。非常ベルがなり、パチンコ店の従業員も外へ飛び出す。現金を手にした犯人は待機していた車に乗り込んで国道を一目散に逃走した。
110番通報で2台のパトカーが駆けつけ、伊藤さんら「ノヴァ105」従業員に犯人の着ていた衣類や人相などを聴き取る。ノヴァでは普段から事件に遭った場合に備え、マニュアルがあるらしく、伊藤さんも犯人の車を追った男性従業員も思った以上にスラスラと特徴を並べる。「おっかねっけー。首を抑えられて身動き出来なかった」と怖い思いをした伊藤さんは「やせ型で、サングラス、帽子を被っていた。ジャンパーは黒っぽかったと思う」と一部に記憶違いは見られたが、冷静に犯人像を報告していた。男性従業員も逃走に使った車のナンバーをメモしていて、「運転席に座っていた男はフード付きのジャンパーだった」などと警察官に報告していた。
犯行から逃走までの一部始終を見ていた遊技組合の従業員たちはただ迫力ある犯行と逃走にあっけに取られていた。訓練の後、大曲署の刑事課長は「逃走した車のナンバーをメモしておくというとっさの判断は良かった。皆さんが注意する点は、もしも自分が犯人だったらどこを狙うかという犯人の立場になって防犯を考えることだ。店に帰ったらまず非常ベル、サイレンが確実に鳴るか、防犯カメラは大丈夫かなどを点検してほしい。また非常ベルがなるとどうしても景品買取所に一気に従業員が駆けつけてしまう可能性が高い。そうなるとわざわざ犯人を逃走させてしまう。買取所だけでなく出口も抑えるという判断を大切に」と注意していた。
刑事課長によると実際の犯行に使われる車はほとんど盗難車だという。それでも車のナンバーさえ分かると全県への手配によって早期逮捕につながりやすい。それだけにナンバーは大切な手がかりになるという。そして「例え盗難車で、逃走の途中で車が変えられたとしても、犯人の身長と体格は変えようがない。だからその点にも注意してほしい」と強調していた。訓練の後は参加者全員が防犯カラースプレーを交互に握って、実地訓練となった。スプレーはボタンを押すだけで赤っぽいネバネバした液体が7?8メートル先まで飛ぶ。カラーボールよりも命中率も高く、従業員たちは真剣になって目標物に向かって液体を飛ばしていた。