大曲南中学校30周年記念式

旧藤木中と旧角間川中と統合

校歌「世界の美のなかに目ざめよ」に参列者も感動(11月1日・水)

 校歌「世界の美のなかに目ざめよ」を歌う生徒たち大曲市立大曲南中学校の創立30周年記念式が1日午前9時15分から体育館で挙行された。同校は1970年4月に旧藤木中と旧角間川中とが統合し「大曲南中学校」として誕生。72年11月1日に現校舎が完成して、この日を開校記念日としている。創立以来5219人の生徒を送り出し、現在の生徒数は158人となっている。「文武不岐」を校風に学業とスポーツ、文化活動に力を入れている。

 記念式典には元校長や旧職員、PTA、教育委員会、それに生徒と教職員合わせて約300人が参列。県民歌を合唱の後、創立以来10代目の岡強三校長が式次を述べた。岡校長は「さん然と輝いている南中の栄光と躍進の歴史は先輩たちがよく生きることの意義を真摯に問い続けた苦悩と歓喜の歴史でもある。急激に進展する社会の大きなうねりの中にあって学校は今、経験したことのない大きな教育改革の時代を迎えているが、私たちは保護者の皆さまや地域の皆さまと連携しながら、開かれた学校づくり、環境づくりを目指したい」と訴えると同時に生徒たちには「心身ともに強健で心優しく、豊かな生き方、新たなる可能性への挑戦と創造を求めてもらいたい」と呼びかけた。

 続いて伊藤博式典実行委員長あいさつの後、笹元嘉辰大曲市教育長が同校の校歌「世界の美のなかに目ざめよ」の歌詞こそ「21世紀の全世界の意識としてよみがえらせた究極の呼びかけである。この素晴らしい校歌が南中生みなさんの指標となり一人ひとりの豊かな生き方を導いてくれるだろう」と祝った。同時に「長崎の鐘」の永井隆平和賞作文コンクールで入賞した同校3年生の伊藤彩さんの作文「すぐそばにある」に触れ、「普段何気なく吸っている空気、何気なく見上げている空、何気なく飲んでいる水、これこそがまさに平和の象徴なのだと彩さんは語り、『何気なく平和はそばにいるのに人間の欲深さが、平和をめちゃめちゃに壊してしまう』との言葉こそ本質を見据えた視点であり、考察である。ここにこそ美意識の息づいた確かな事象の捉え方がある」と持ち上げ、「彩さんに教えられました。こうした優れた皆さんが育ち行く大曲南中の前途はまさに洋々です」とたたえた。

 続いて初代校長の尾張谷清吉さん(79)=須和町=が統合当時の思い出を語った。尾張谷さんは「まだ校舎がなかったころは卒業式や修学旅行など主な行事は一緒だったが、授業は別々の校舎で進められた。そして実質統合になるとき角間川中の男子生徒は長髪も許され、藤木中の生徒は坊主刈りだった。この髪をどうするか。学級同士で議論したり、全校生徒会で話し合ったり苦労もあったが、角間川中の生徒たちが自主的に坊主刈りにすると決め、ホッとしたものだった」と当時をふり返った。終わってから「今もそうだが、生徒も地域の人たちも良く、何も心配なく勤めることが出来た」としみじみとした表情で当時をしのんでいた。生徒会長の佐藤佑樹君がお礼の言葉を述べ「南中の生徒たちはどんなときでも一丸となって喜びも苦しみも辛いことも分かち合ってきた。これからも私たち自身の手で南中を素晴らしい学舎にすることを誓う」と締めくくった。

 同校の校歌「世界の美のなかに目ざめよ」は角間川町出身で詩人の本郷隆氏(故人)の作詞。これに同じ郷土在住の作曲家・佐藤長太郎氏(故人)が曲を付けた。大曲中学校の校歌「よく生きよ」同様の「校歌を主題とした交声曲」で、詩の朗読も含め13分もかかる校歌としては異例の長さ。「君たちは耳をかたむける、父母の声 兄弟(はらから)の声 その声のなんという親しさ、なんというふかぶかとしたなつかしさだろう。そうだ この声こそが 世界の美のはじまりなのだ」。格調の高い歌詞と音楽は生徒たちの誇りであり、朗読し、歌う喜びにもなっている。全校生徒がいすを手にステージに登壇してピアノ伴奏に合わせ詞を朗読し、歌う姿に来賓も保護者も感動的な眼差しで聴き、盛大な拍手を送って30周年を祝っていた。

 式典の後は前能代工業高校バスケットボール部監督で全国優勝33回の大記録を達成させた加藤廣志氏が記念講演。午後からは地域の人たちを招いて茶室のある学校らしい記念お茶会を開いて生徒と地域の人たちが交流を深め合っている。