サケのつかみどり

大曲市の玉川で豪快に

小学生50人が参加してサケを追う(11月13日・月)

 捕れたてのサケからの採卵作業捕れたてのサケのつかみどりという豪快な催しが12日、大曲市花館の玉川河川敷であった。雄物川鮭増殖漁業生産組合と大曲市農政課が藩政時代から伝わるサケ漁の伝統を学んでもらい、魚を生み育てる川の豊かさを体験してもらおうと小学校4年生以上の児童を対象に企画した。事前の呼びかけに電話で応募のあった50人で締め切ったが、サケの水揚げを見たいと親子連れ150人ほどが玉川橋下流右岸に集まり、河川敷に作られたビニールの生け簀に入ってつかみどりを楽しんだ。

 花館地区でのサケ漁は雄物川と玉川で行われ、雄物川では刺し網方式を、玉川では水の抵抗によって板が上下する簀子(すのこ)状のプラスチック板で川をせき止め、上ってくるサケを捕獲する抵抗板ウライ方式と言う方法でサケを捕っている。今年も10月5日から漁が始まっている。組合員によると今年は雨不足で川の水も少ないうえに水温も高いこともあって水揚げ量は例年より幾分少なく、1日で30本前後と言う。

 このため数日前から捕獲したサケを生け簀に入れて保存、つかみどり用にと体長50センチから70センチ前後のサケを50本を事前に用意していた。玉川のサケ漁は子供たちの自然を学ぶ格好の教材として学校の人気が高く、毎年、この時期になると各地から勉強に訪れるようになるが、組合と市農政課が共同で「つかみどり」と言う催しを企画したのは今回が初めて。

 河川敷には幅6メートル、長さ14メートルのビニールの生け簀が作られ、集まった親子連れを前に組合員が川に入って実際のサケ漁を実演。産卵のため海から長い旅をしながら故郷の川に逆上ってきたサケは、川の中の鉄製の生け簀の中で豪快な水しぶきを上げて元気さを見せた。その中からメスだけをえり分けてふ化するための採卵を市営ふ化場の職員が演じると、子供たちは真っ赤な卵がお腹からほとばしるように出てくる様子に「ウワー」と歓声を上げて驚いていた。「このサケは3?4年前にこの川に放流され、海で成長し、今また産卵のために戻ってきたんだ」と組合員やふ化場の人たちは自然の持つ偉大な力を説明していた。

 そして生きのいいオスだけをビニールの生け簀に放すとサケはものすごいスピードで泳ぎ出した。長靴を履いた子供たち50人はワッとばかりに生け簀になだれ込み、サケを追い始めた。軍手を手に追いかける子供たちと逃げ回るサケの水しぶきで、ビニールの生け簀の中はまるで湯が沸騰したような騒ぎに。抱き抱えるようにサケを捕まえた子供たちは「やったー」と大喜び。生け簀を囲んで見ていたお父さんやお母さんたちも夢中になって「もっと大きいのを狙って」と興奮していた。

 ビニールの生け簀で行われたつかみどり川辺は初冬の風で冷え込んでいたが、石狩鍋のサービスもあって豪快なサケのつかみどりとサケ料理にしたつづみを打って日曜日の川遊びを思い出に刻んでいた。サケ漁は12月末まで行われ、例年、3000尾前後の漁獲量がある。