医療と健康を考える集い

高血圧治療をテーマに医師が講演

治療によって脳卒中の危険性を下げられる(11月20日・月)

 講演する松岡医師「第23回大曲・仙北周辺地域の医療と健康を考える集い」が18日、大曲市のグランドパレス川端で開かれた。大曲市医師会と市の主催。今回は秋田市の松岡内科クリニックの松岡一志院長が「高血圧治療の最前線−高血圧治療の意義と高血圧ガイドライン−」と題して豊富なスライドを使って生活習慣病とも言われる高血圧治療の最前線を語った。

 会場には約150人の聴衆が訪れた。始めに同医師会の下山維敏会長が「高血圧は脳卒中や心臓病など重大な病気の要因となりがちだ。それだけに食生活を含めた生活習慣の見直しと高血圧治療が大切。今日は新しい高血圧治療を含めた高血圧に対する知識を深めてもらいたい」とあいさつ。松岡氏の講演となった。

 松岡氏は1970年3月に東京工大卒業後、秋田大学医学部に入学。西ドイツのバート・ハイム市の実験心臓病学部に留学、秋大医学部第2内科講師、同助教授を経て99年11月に松岡内科クリニックを開設。日本高血圧学会会員など学会活動をしている。

 松岡氏は「高血圧は上が140、下が90以上を言うが、血圧が高いからと言っても症状がないため、静かなる殺人者とも呼ばれている」と高血圧の怖さを強調。それでいながら高血圧症の患者は国内だけで3300万人にも及ぶと話した。そして高血圧症は脳卒中や脳梗塞、心臓病、心不全、狭心症などの危険を呼ぶと警鐘を鳴らし、その予防には「降圧治療が必要だ。しかし、治療によって効果が最も大きいのは脳卒中なら40%近くもリスクを低下させるが、心臓は16%とまだ低い」と降圧治療の限界をスライドに映された資料などで詳細に説明。

 また高血圧とならないためには「厳しいと思うが、食塩の摂取は1日7ミリグラム程度に抑え、適正体重の維持、コレステロールも高くならないよう飽和脂肪酸、アルコールも控え目にし、禁煙、適度な運動を勧めたい」と呼びかけた。一方で「コンビニエンスストアの普及でファーストフードを食べる若者が多くなっているが、これも食塩の摂取量を増やす一因だと思ってもらいたい」と警告した。大曲市保健センターによると飽和脂肪酸は動物性の脂肪、肉類、ラード、バターなどに多く含まれていると言う。松岡氏はさらにお医者さんに向けて「血圧の高い患者さんに降圧剤を使用するには原則として1日1回投与のものを選ぶべきだ」とも述べ、2〜3カ月を目標に血圧を下げる計画で治療すべきだと勧めた。また血圧低下のためには早歩き30分を毎日繰り返し、肥満を防止するのも大切だと述べた。