大曲市の循環バス検討委員会

市がアンケート調査を報告

本格運行なら年900万円の赤字も(11月30日・木)

 この夏に運行された循環バス大曲市は29日、この夏に2カ月間、試験運行した「循環バス」の運行検討委員会を開き、委員にバス運行の際、利用した市民から回答のあったアンケート調査の結果を報告すると同時に今後の運営に向けての意見を聴いた。市の報告によると試験運行にかかった経費を基に試算した結果、本格運行した場合に掛かる費用は1年間で約1140万円。これに対し、運賃100円で得られる収入は約250万円。トータルにして約890万円の出費が強いられることが分かった。庁内幹部職員で構成される幹事会で検討した結果、「高齢者の地域内移動手段としては一定の需要が確認できた」との評価もあったが、「固定化されると思われる利用者のために年間800万円から1000万円前後の公費を投ずることは公平性を欠く懸念もある」との意見もこの日の委員会で報告された。これらを背景に意見交換した結果、「継続かどうかにはまだ判断材料が不足であり、この冬にも試験運行してデーターを揃えるべきでないか」との方向で集約した。バス運行を委託された羽後交通からは「冬期運行は気象条件によって正確な時間を守れないため、利用客に迷惑をかける可能性もある」との声もあり、市側では「冬期運行に関してはもう少し慎重に検討したい」と答えた。

 循環バスは6月1日から7月31日までの2カ月間試験運行した。目的は住宅地と大曲駅前の中心市街地を巡回するコミュニティバス導入の可能性を検討し、空洞化の進む中心商店街の活性化や高齢者など、交通弱者が利用しやすい交通システムの確立にあった。

 このため高野昭次助役を委員長に警察、羽後交通、タクシー、大曲商工会議所、老人クラブなど関係団体代表や市民代表からなる15人の検討委員会にバス運行のルートやバス停の位置、期間、料金などを示し、2カ月間の試験運行となった。ルートは市役所、図書館、市民会館、JR大曲駅など公共施設、高齢者向けの市営住宅、医療機関、それに中心商店街とし、午前9時から午後4時まで1時間ごとに25人乗りのマイクロバスを1日8便運行した。狙いは交通弱者の足の確保もあったが、利用者は子供も学生も自由とした。

 その結果、利用者総数は4478人で、1日当たりの平均利用者は73人、1便当たりの平均利用者は9人だった。男女別では男が914人で20%、女が3564人で79%だった。年代別利用者は高齢者が最も多く52%を占めた。

 その利用者からアンケートを取った結果、回答者は569人で回収率は13%だった。 回答の最も多かったのも60代と70代で共に20%を超えた。またバスを利用した人の8割は中心市街地に住んでいる人で、免許を持っていない人が6割を超え、交通弱者の足の確保に役立ったことは明らかとなった。そして「今後も循環バスが必要と思うか」の質問に対しては「必要だと思う」が88%と回答者のほとんどがその必要性を求めた。

 一方、回答者から得た意見や要望では「続けてほしいが財政面で心配」「料金が安くてありがたいが、利用者が少なく経費を思うと複雑だ」と財政面を心配する声もあった。また「街の中心部に近いところだけ運行しているが、本当に利用したいのは中心部に遠い人たちではないか」と農村部の不便さが救済されないことへの批判的な意見もあった。いずれ意見・要望とも概ねが好意的で継続を望む声が多かった。

 循環バス検討委員会これらを基に同検討委員会の下部組織である庁内の幹部職員で組織する幹事会で意見交換した結果、「高齢者の地域内移動手段としては一定の需要が確認できた」と目的は達成されたと評価されたが、運賃の100円は「検討する余地がある」とする中で「固定化すると思われる利用者に年間800万円から1000万円前後の公費を投ずることは公平さを欠く懸念がある」との指摘となった。そしてこの日の検討委員会でも「本格運行かどうかを判断するにはデーター不足もあり、冬期間の試験運行をしてみるべきでないか」と意見が集約された。