両手両足を動かせない方に朗報

自分の身の回りの電化製品を自分で操作

羽後町の山内さん「環境制御装置」を購入(10月5日・木)

 口にくわえたストローで電化製品を操作する山内さん雄勝郡羽後町の山内峯夫さん(59)=新町字高寺5=を5日朝、再び訪ねた。山内さんは本紙「著名人」でも紹介されているように6年前に脳こうそくで倒れ、その後遺症で手も足も利かない不自由な体となった人だ。その重い障害にもめげず自宅で独学でパソコンを習得し、インターネットで情報を収集、電子メールで様々な人と交流を深めている。その山内さんから再びメールが来た。メールによると口にくわえたストローを吸ったり吹いたりするだけで「環境制御装置」と言う機械が受信し、山内さんの寝ているベッドが立ち上がったり元に下がったり、さらにテレビのチャンネルも自由に変えることができ、自分の好きな番組を選べ、エアコンのスイッチ、ストーブのスイッチも山内さんが加えたストローで自由自在に電源を入れたり切ったりすることが出来ると言う。メールで山内さんは「自分が疲れた時は家族がいなくてもベッドを倒して眠ることができるので大変、便利になった」とあった。

 幸い山内さんはその機械を安い値段で手に入れることができたが、普通に購入すると機械だけで50万円、そして取り付け料がさらに10万円もかかると言う(後で紹介するが値段は環境制御装置を取り扱っている会社のホームページで確認してほしい)。山内さんもまた家族の方も「便利だけど60万円もするのでは買えない」と町役場に援助の相談をしたが給付対象にはならず、購入するのをあきらめたという。そこへ業者の方から「キャンセルになったので安く譲りたい」との話があって手に入れたのだとメールには書いてあった。山内さんは「自分のように困っている障害者のためには本当に役立つ機械だけに役場の方も給付の対象になるよう考えてもらいたかった」と残念がる。

 ケンニチとしても福祉がどこまで“お手伝い”すべきか、その判断は一概には下せないが、山内さんのメール見て、せめてそのような機械があると言うことを紹介したいと思った。とにかく山内さんが買い求めたその機械を見てみたい。同じように両手両足が動かせず、寝たきりの生活をしている重度の障害者の方にお金はかかるが、それで家族の介護も楽になり助かるものなら、そのような機械も有るんだと言う情報を伝えたかったからだ。5日朝、大曲市の藤原正吾福祉事務所長ら福祉関係者3人と共に山内さん宅を訪ねた。

 山内さんが買い求めた「環境制御装置」は「パシフィックサプライ株式会社・川村義肢株式会社」と言う体の不自由な人たちのために様々な補助器具を取り扱っている専門会社だった。山内さんはこの夏、病院に山内さんの薬を取りに行った妻の信子さん(59)が留守の間、電源が入れっぱなしになっていたエアコンの寒さに震え上がったこともある。そんなことから何とか身の回りのテレビやエアコン、ベッドなどを自分の意思で操作できるものはないかと、以前、お世話になった病院の人に相談。それがパシフィックサプライ社で取り扱っている「環境制御装置」だった。仙台営業所からパンフレットを取り寄せたが、値段を見て妻の信子さんも「こんなに高いのでは買えないから、私がいつもそばに付いているよ」とあきらめてもらうことにした。役場に相談しても補助対象外となった。

 あきらめるしかないかと目をつむろうとしていたら仙台営業所の方から「キャンセルされた品がある。値引きもしますのでいかが」との連絡があり、思い切って購入した。信子さんも「買って良かった。とても便利で、外に出て庭で仕事もやれるようになった」と自分の時間が少し増えたのを喜ぶ。

 市福祉事務所職員にも同行してもらったのは福祉の補助対象になる、ならないは別の問題としてとにかく福祉関係者にもそのような機械があると言うことを知ってもらい、重い障害を抱えた人たちの相談を受けたときのアドバイスとして役立ててもらいたいからだった。同行した3人は山内さんがヘッドフォンのような構造をした装置に取り付けた2本のストローを口にくわえ、交互に使ってパソコンを操作したり、テレビのチャンネルを変える様子に驚きながら「なるほど。これなら助かるでしょう。私たちも勉強になりました」と喜んだ。制御装置は口にくわえたストローを「吸う」とテレビやエアコン、ストーブなどの電源が入り、「吹く」とテレビのチャンネルが変わった。山内さんの足元にデジタルのチャンネル表示器があり、その数字を確認しながらテレビのチャンネルやエアコンを操作する仕組みとなっていた。山内さんは「6年ぶりに自分の好きな番組を見れるようになった」と子どものような笑顔を見せた。

 デジタル表示の数字を確認してテレビチャンネルを変える環境制御装置を取り扱っている「パシフィックサプライ社」のホームページもあった。車いす、義肢、補助器具、靴などの項目の中の「コミュニケーションエイド」があって、その中に「身の回りのあらゆる電化製品を自分で操作したい」とのコーナーがあり、山内さんの買い求めた環境制御装置が紹介されていた。読者の中で家族や親類、知人にこうした機械があったら便利だと助かる方がおられたらと思い「パシフィックサプライ社」のホームページとケンニチが今年5月16日に山内さん宅を訪れて書いた時の記事を下記に紹介する。

パシフィック社=http://www.p-supply.co.jp/

ケンニチ著名人=http://www.kennichi.com/famous/fp000516.htm