大曲高校が「マラソンで世界へ挑戦」

男女591人がバトンリレーしてフルマラソン

やった!世界記録「1時間53分54秒」で万歳三唱(10月6日・金)

 トップを切って走る加賀谷君県立大曲高校の「マラソンで世界へ挑戦」が6日午後1時に大曲市の雄物川河川敷運動公園を会場に行われた。全校生徒995人のうち、591人の生徒がバトンをリレーしながらフルマラソン「42.195キロ」を走り抜け、目標とした2時間12分16秒を軽くクリア、「1時間53分54秒」の世界記録(?)を樹立した。マラソン終了と同時にアンカーとして走った福原和虎校長の掛け声で、全校生徒が喜びの「バンザイ」を三唱、「大曲の花火」会場となっている広い河川敷に高校生の若さがいっぱいに弾けた。

 マラソンは県の支援事業「ハイスクール・アイディア・サポート・プラン」の補助を受けて企画した。全校生徒が協力しあってバトンをつなぎ、フルマラソンをリレー形式で走り、世界記録に挑戦しようとなったもの。男子生徒333人に女子生徒258人が1学年をトップにバトンをつなぎ、2年生、3年生へとリレー。マラソンに参加しなかった生徒はブラスバンドの演奏で応援したり、先生たちの手伝いをするなどして全校でのイベントとした。幸い天候も青空が広がって、絶好のマラソン日和。午後1時、ピストルと花火の号令で生徒会長の加賀谷秀策君がトップを切ってスタート。生徒一人が走る距離は当初80メートルを予定していたが、カーブなどの関係から走る距離は70メートルから75メートルに変更。河川敷に1周1キロのコースを設定して、14カ所にバトンタッチの場を設けた。

 トップの加賀谷君は次の走者を目指して全力疾走。マラソンの世界記録は男子で2時間5分6秒。女子は2時間20分43秒。大曲高校では独自の完走目標時間をこの日の参加人数で算出した。それは男子の世界記録にこの日のマラソン参加者の591人の数で男子参加者の333人を割り、さらに女子の世界記録を同じく591で女子の参加人数である258を割った数字でプラスさせ、完走目標時間を「2時間12分16秒」と設定した。1周目のラップは2分48秒。マイクで記録を告げる先生は「早い。順調だぞ!。このペースでのスピードなら2時間を切る大記録も夢でない」と走る生徒たちに檄(げき)を飛ばした。

 懸命のバトンタッチ70メートルから75メートルとは言え、全力で走る生徒たちには厳しい。中には脱げ落ちたシューズをそのままにして次の走者目指す生徒も。また転倒して手に擦り傷を作る生徒も。それでも「みんなで協力して走るのだから爽快な気分」と走り終えた2年生の女子生徒は汗を流しながらいい笑顔。1周1キロを14人がバトンを渡して走る時間は平均して2分40秒から45秒。1年生から2年生へ、そして3年生へとバトンがタッチされた。この時点で目標時間に対して11分を短縮。「3年生。頑張れよ」と最上級生に世界記録樹立の夢が託された。走る3年生。懸命に走った。そしてついに1周2分25秒と言う最高ラップも記録。

 堤防上では市民の見学もあった。そして走り終えて堤防の階段に座った生徒たちも懸命に3年生の走りを応援した。ブラスバンドの演奏もより高まった。ランナーが終盤になると全校生徒がゴール近くを埋めた。最後を走るアンカーは福原校長。校長は白いトレーナーに真っ赤な鉢巻き姿で登場。生徒たちから「ワーッ」と歓声があがった。ゴールのテープが張られ、最後の走者からバトンを受け取った。全力疾走した。再び「ワーッ」と地鳴りのような歓声と拍手が沸いた。タイムが切られた。「1時間53分54秒」。591人の生徒と福原校長へと渡されたバトンは男子の世界記録も女子の世界記録も打ち破った。

 閉会式で生徒会長の加賀谷君は「ご苦労さまでした。おそらく当分の間、私たちが作った世界記録は更新されないでしょう。皆さん自信を持って下さい」と胸を張った。福原校長も「みんな良くやってくれた。1年生から3年生まで力を合わせて作った素晴らしい1時間53分54秒だ。21世紀の新しい大曲高校を目指してバンザイを三唱しよう」と呼びかけた。この日に備えて全校生徒分のTシャツを揃えた大曲高校。そのTシャツは秋の日差しを受けて、みんなの力でフルマラソンに挑戦したんだと言う最高の思い出となって記憶に残ることだろう。秋の蒼い空が美しかった。白い雲が美しかった。生徒たちは達成感を胸に刻んで会場を後にした。
 
 
世界記録をみんなに公示 達成感に沸く生徒たち