現職の佐藤氏、無投票3選確定
「この町に生れ、育ったことを誇れる町に」と当選の喜び(10月11日)
田沢湖町の町長選は10日告示され午後5時に立候補の届け出が締め切られた結果、現職の佐藤清雄町長(68)以外に立候補者はなく佐藤氏の無投票当選が確定した。選挙カーに乗って午前8時半過ぎから町内のあいさつ回りに走った佐藤氏は午後5時半ごろ駅前の選挙事務所に戻った。事務所前では神岡町、六郷町、中仙町、千畑町、仙南村、西木村の町村長をはじめ100人ほどの支持者が待ち受け、3選が確定した佐藤町長を拍手で出迎えた。
その歓迎を受けた佐藤町長は感無量の表情で一人ひとりと「ありがとうございました」と感激の握手。支持者たちは「戦わずして勝つ。最高の選挙だ」と過去2回、激しい選挙戦が繰り返されただけに喜びもひとしおだった。この日の運動は妻のセイ子さん(65)と次女の瑞恵さん(33)がウグイス嬢、次男の仁さん(35)が運転手を努めるなど一家水入らずでの運動となった。
お祝いに駆けつけた安杖正義県議会議長(仙北郡選挙区)は「無投票当選となったのは2期8年間の政治手腕が評価された結果だ。これからは仙北全体で手を結ばなければ町の発展はあり得ない。佐藤さんにはその期待が込められている」とお祝いの言葉を送った。佐藤町長は「過去2回の戦いを通し、皆さんには本当にお世話になった。皆さんの支えを土台に無競争と言う形で当選となった。我が町の先達たちが努力されて築いた歴史を大事にしながら、この町に生れ、この町で育ったことを誇りに思えるような町にしたい。それが町民からの負託を受けたことへの恩返しであり、責任だ」と気持ちを引き締めた。
気取らずだれとでも気軽に声をかけ話し合う。町長と言う“公人”よりもどこにでも居そうな“お父さん”と言う感じだ。祝賀会に入る前に畳の敷かれた各テーブル席を回って膝をつき、地べたに張りつくように「ありがとうございました」と頭を下げて回った佐藤町長。その腰の低さが町民の厚い支持を受けたのだろう。最初の選挙の時は現職との一騎討ちで相手を破り、2度目は破った前の町長と新人2人を相手にしての戦い。それでも圧勝したのも気さくな人柄からだったろう。
しかし、町が抱える課題は多い。急速に進む高齢化。そして長引く景気の低迷を受けての観光客の減少。厳しさを増す農業、若者の流出など。佐藤町長はこれに対して「観光と農業、商工、それに製造業も含め活性化に全力を傾注したい。そのためにはまず若者の定住環境を整えるのが先決だ」とし、町営住宅を建設し、新幹線と言う足を活かして盛岡、仙台も通勤圏とした広域的な雇用の拡大を図りたいとしている。そして改築が迫られている町立田沢湖病院は高齢化社会に向けての医療、福祉、保健の拠点として整備したいとしている。