焼け跡から男女の遺体発見
藩政時代から代々続いてきた旧家(10月19日・木)
19日午前2時46分ごろ協和町船岡字宇津野249、無職・豊島金弥さん(79)宅から出火、木造一部二階建て330平方メートルの住宅を全焼して午前4時13分に鎮火した。火元の家族が行方不明になっていたが、午前8時半ごろ焼け跡の土間から折り重なるように倒れた男女の遺体が発見された。大曲署で性別、身元、死因、火災原因を調べている。
現場は国道13号から約4キロ離れた集落。進行中の車両が進行方向右側の木の間の住宅から煙と炎が出ているのを発見、近くの家に飛び込んで119番通報を依頼した。通報と同時に広域消防協和分署などから5台の消防車が駆けつけ消火に当たったが、かやぶきの屋根にトタンを被せた住宅のため火の回りが激しく、建物全体が焼け落ちてしまった。
豊島家は船岡の旧地主として知られ、庭には昭和28年(1953年)県指定の天然記念物で樹齢300年以上にもなる「しだれ桜」があった。藩政時代は秋田藩の重臣が桜狩りとして立ち寄った所として知られ、家も建ててから100年以上にもなっていた。豊島さんは町役場職員から収入役、助役になり町長選にも出馬したことがある。息子さんは同じ町内で開業医をしており、妻の慶子さん(74)と二人暮らしだった。どちらも元気でで慶子さんの運転する車で出かけることもあった。近所の人は前日に慶子さんが買い物に出かけているのを見かけたと話している。
豊島さんの向かいの主婦は「バチバチッと車が衝突したような音で目覚め、外へ出たら豊島さん宅が真っ赤な炎を上げて燃えていた。怖くて声さえ出せなかった」と疲れ切った表情だった。役場職員時代に使われたことがあると言う人は「酒は好きだったが、次の日に残るような酒は飲むものでない」と厳しかったと話す。