大曲の花火台湾へ

陳総統、李前総統が大曲JC一行らを異例の歓迎

「大曲の花火が台湾の年中行事として期待したい」と陳総統(9月8日・金)

 台湾総督府台湾に渡った「大曲の花火」を声援しようと台湾政府と「台北花火節」主催団体の招きで7日夕、台北入りしていた初代大曲青年会議所理事長の辻久男県議を団長とする大曲青年会議所(大曲JC)の挽野実之理事長ら会員やそのOB5人と現地の日僑協会のメンバーら一行33人は8日午前に李登輝前総統を表敬訪問した後、午後からは陳水扁総統を訪問した。李前総統も陳総統も大曲JC一行と台北在住の日本人経済界一行に親しい言葉を掛けて歓迎した。総統が民間外交団を総統府に迎えるのは異例とも言える待遇だけに一行は「とても名誉なこと」と感激していた。

 総統府での陳総統との面談は午後2時からだった。憲兵たちが厳重に警戒する中、一行は総統府の門をくぐった。同20分、来賓室入りした陳総統はにこやかな笑顔で一人ひとりと握手を交わして歓迎の言葉を述べた。そして通訳を挟んで左に辻団長と挽野理事長、大曲JCOBの小池澄夫さん、右に台湾の国会議員で8月26日の大曲の花火に観光団長として来曲した趙永清さん、そして大曲JCの小西亨一郎さん、OBの伊藤一巳さんらが並んだ。

 陳総統は約50分近くにわたって「大曲の花火が台湾の年中行事になると思われ非常に期待している。花火は美しいだけでなく活力や希望も表している。大曲の花火が台北だけでなく台湾全体にとっても大きな楽しみとなるだろう」と親しみを込めて語った。そして日本と台湾とが民間外交によってより発展することを希望したほか、台湾の「中秋節」で家族団らんの日に当たる9日に台北市南端の中正河賓公園(河川敷)で打ち上げられる5000発の「第2回台北花火節」や本番での「大曲の花火」の規模の大きさなどに興味深く耳を傾けた。

 また午前中に33階建ての建物「台湾総合研究院」での李前総統との懇談で、李前総統は「民間ベースの交流を促進して行こう。私も明日の花火を観に行く。世界一と言われる『大曲の花火』を一度は観たかった。今回の花火大会を通じて日本との民間交流、経済、文化交流が進められることを嬉しく思う」と語った。さらに日本の植民地時代に岩手県出身で台湾総督府民生局長を努めた後藤新平の名前を挙げ、「後藤新平は台湾の鉄道や電信などのインフラの整備を促進し、民主主義社会の礎となった。後藤さんにはとても感謝している」と過去の不幸な関係には全く触れずむしろそれに対してに「台湾は日本のおかげで日本語を覚え、英語を学ぶ土壌が築かれた」と親密な感情を見せた。

 陳総督に大曲の花火の袢纏を送る挽野理事長辻団長は陳総統、李前総統にそれぞれ「お忙しい所、このような貴重な時間を取っていただいて感謝している。また何よりも今年の正月に台湾・中和市での大曲の花火の打ち上げが大成功に終わったことへのご協力にもお礼を述べたい。大曲青年会議所の若い人たちが中心となって台湾の若い人たちと交流を深め、お互いが発展していくことは素晴らしいことだ」とお礼を述べた。また大曲JCの挽野理事長は陳前総統に対しては「今年1月1日の第1回台北花火節での『大曲の花火』は警備の関係や公職の忙しさで観てもらえなかったが、今回は観てもらえると言うことでとても喜んでいる」と感激の言葉を述べた。そして陳総統に対しても「総督府に招かれて大曲の花火を語れる機会を設けて下さったことに感謝したい」と緊張しながら謝辞を述べた。

 一行は陳総統と李前総統に対してパネル張りされた「大曲の花火」の写真と花火の玉の模型や又五郎こけし、角館町のかば細工、そしてJR東日本鉄道株式会社秋田支社から預かった新幹線「こまち」のアルミ張りの写真を寄贈した。 「大曲の花火」が今年1月1日に台湾で打ち上げられたのは大曲JCと台北近郊の中和市の中和JCが姉妹提携していることから実現した。「第1回台北節」として約3000発が打ち上げられ、台北市南端の中正河賓公園(河川敷)は観衆30万人で埋まって大成功に終わっている。その後、再び台北市民などから「大曲の花火を」という声が高まり、「第2回台北花火節」として同じ会場で打ち上げられることになった。打ち上げのため大曲市と神岡町の花火業者4者から19人の花火師と大曲JC関係者、報道関係者など40人が台湾に渡っている。
李前総統との記念写真