村岡氏、市町村長を応援に走る
農業の再生、経済の再生を訴え、浸透を狙う(4月2日・月)
自民党の大物代議士、村岡兼造氏の長男・兼幸氏(43)を知事候補に推薦した自民党は徹底した人集めと握手戦、街頭演説で有権者への浸透を図ろうとしている。加えて大曲市仙北郡内での戦いは御法川英文代議士、それに辻久男、原盛一、大野忠エ門の3県議が同行、さらに行く先々の町村長も選挙カーに同乗し、保守系町村議がそれに随行するといったまるで現職並みの布陣。
3月31日午後2時。村岡候補の選挙カーは大森町から大曲市入りした。次々と市議団も駆けつけ、満を持す辻県議は「大曲市でどれくらい寺田知事に近づけるかにかかっている」と意欲を燃やす。車は休む暇もなく寺田典城知事の出身地でもある内小友、大川西根地区を走った。村岡候補、御法川代議士が内小友の2カ所でマイクを握った。「兼幸君は若いが、日本青年会議所会頭として活躍するなど若さ以上の経験と勇気、実行力がある。秋田を良くするためには何としてもトップを変えなければならない。秋田はこの4年間、発展どころか、足踏みをしてきた」と寺田県政を批判。村岡候補は「秋田は何と言っても農業県。日本の食糧基地を目指し、国に願うものはしっかりと願い、元気の出る農業を再生したい。そして雇用の場を確保し、経済を再生させなければならない。そのためにも私は全国の人脈とネットワークを活かし、秋田の営業マンとなって全国を走り回り、企業誘致、地元産品のPRに力を入れる」と持論を展開。内小友の建設会社など2カ所での演説会には100人から200人近い人が集まった。
その足で南外村へ。田口宏暢村長が選挙カーに乗り込み、村議らが同行する。随行車は5台から7台と続く。同村では自民党が組織力を挙げて動員をかけたようだ。老人ホーム前の広場、役場前などの演説会場には200人から300人の人が集まった。沿道にも人の列。マイクを握って挨拶した後は、スニーカー姿の村岡氏がフットワークも軽く、駆け回るようにして握手。住民から「ガンバレよ」と声をかけられると「ハイ。頑張ります」と笑顔で応える。その素直そうな反応に婦人たちからは「かわいいー」とまるでタレントを迎えたような声も。選挙戦のコツをつかんでいる御法川氏も同行して「頼むしで。ナッナッ」と念を押す。
各演説会場で目立つのは村岡氏を推す青年会議所の動き。10数人のメンバーが白いジャンパーを着て「世界に誇れる秋田づくり」の旗を手に頭を下げ、チラシを配る。作戦を展開してきた村岡陣営の一人は「17日間の選挙期間中に69市町村を回るのだから1町村に1日しか入れない。とにかく人に出てもらい、村岡の顔を見て、話を聞いてもらい、人物を知ってもらうしかない。そして村岡は若いがやれそうだと口コミで評判が広がってもらえれば」と話す。
2日午前9時50分。村岡候補は大曲市役所前に車を停めた。高橋司市長が出迎え、職員らを前に「無党派というのがまるでお雛さまを迎えるように歓迎されるこのごろだが、行政にとっては無党派と言うのは良くないものだ。大曲は国のおかげで良くなってきた。国とのつながりが大きい。候補者の声をよく聞いてやってほしい」と呼びかけた。選挙カーを中心に市議団12人が並ぶ。「国・県、市町村との信頼関係を大事に秋田の元気を取り戻したい」と対話とプロセスの大切さを訴える村岡氏。そして辻県議は「この4年間、知事と腹を割って話したことはない」と寺田氏の独断ぶりを批判した。
車は船場町から浜町の新興住宅街を通って若竹町の住宅街を縫うように走る。しかし、月曜日の朝のせいか前日の夕方、寺田候補が圧倒的な歓迎を受けたムードは取り戻せず、市民の反応はやや鈍かった。しかし、花館地区では建設会社が従業員を総動員させて村岡陣営を迎え、元気づけた。県農政連が寺田氏の推薦を決めたのにJA秋田おばこでは村岡氏を推薦するといったねじれ現象となった同農協本部前でも職員が熱烈な歓迎。高橋嘉吉組合長は「農業を元気づけ、復興させてもらうためには村岡さんしかいない」と激励。車は午前11時に仙北町に入り、役場前で応援団が入れ代わった。ここでも小西省吾町長が出迎え、マイクを握った。そして選挙カーに乗り込み、村民への挨拶へ回りと全面協力。
マイクを握った町村長の口からは「村岡さんに当選してもらわなければこの地域は安定しない」「2年前のカメムシ被害が広がった時は県に選別機導入の援助を頼んだが、耳を貸してもらえなかった。小さな自治体がお金をかけて国に陳情に行く時代ではない。県がそれに代わって力を貸すべきだ」と寺田批判も飛び出す。
「秋田が変わる 若さで変える」。フットワークを活かし、出迎えた人を見かければ走るように近寄って握手を求め、頭を下げる村岡氏。父の村岡代議士への配慮もあって、仙北郡内では町村長が全面的な応援に付いた。誠実な選挙運動への評価の声は高まるが、二世への抵抗や自民党の露骨な寺田降ろしの動きに反発する県民の声も強い。そうした逆風を受けながらも若さと行動力で現職に迫ろうとする村岡候補。県南で何とか現職に追いつき、大票田の秋田市での勝負をかけようとしている。6日午後3時には中央から小泉純一郎代議士が応援のため大曲市入りし、フォーシーズンで演説会を開く。