農業研究センター大曲キャンパス
稲作、大豆など転作作物の研究へ(3月4日・火)
大曲市四ツ屋にある「農林水産省東北農業試験場水田利用部」が2日から、国立の研究所としての歴史に幕を閉じ、独立行政法人「農業技術研究機構『東北農業研究センター大曲キャンパス』」となった。運営の財源措置は国の予算で行われ、職員の身分も国家公務員であるが、あくまでも国から独立した組織となり、研究・運営、財務及び会計、人事管理などは法人である「農業技術研究機構」の自主性に任せられることになった。これを機に大曲キャンパスでは「これまで以上に身近で親しめる研究機関として、水田農業の強い助っ人を努めたい」と話す。
東北農試として親しまれた同試験場は1896年(明治29年)に農商務省農事試験場陸羽支場として当時の仙北郡花館村(現・大曲市朝日町)に創設された。1944年(昭和19年)には東北支場と改称、50年(同25年)に東北農業試験場となり東北支場は栽培第一部に編入された。そして68年(同43年)に現在地に移転。88年に組織改編で「水田利用部」と改称し、96年(平成8年)に開設100周年を迎えている。
同試験場が水稲に果たしてきた成果は大きく、1921年(大正10年)に交配育種で生れた「陸羽132号」は冷害に強く、良質大量生産の品種として近代稲作の基礎にもなった。この陸羽132号を基にコシヒカリ、ササニシキが生まれトヨニシキ、キヨニシキの育成へとつながった。
今回の独立行政法人は高度経済成長や国際化の進展などにより農業をめぐる情勢が大きく変化し、自給率の低下、農業者の高齢化、農村の活力の低下などを背景に生れた。国は新たな農政の展開にこたえるためにも、今後の試験研究の重要問題として▽食料の安定供給の確保のための農業生産力の向上と農業体質の強化▽安全・良質で多種多様な食料の供給と食品産業の健全な発展▽地域の条件や特色を活かした農業の展開▽農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮と農村地域社会の活性化など7点を挙げ、国から独立した組織として効率的な運営、そして業務の内容を国民に明らかにする透明性などを求めている。
今度の改編によって全国6カ所にあった農業試験場は、独立行政法人「農業技術研究機構」(本部・つくば市)となり、これまでの東北農試は岩手県盛岡市の「東北農業研究センター」の大曲キャンパス「水田利用部」となった。同利用部には西仙北町刈和野にある大豆育成研究室も加わり、稲の品種の育成と同時に大豆の品種育成の研究を行い、転作作物も含めた水田農業の研究に努めることになる。
水田利用部の堀末登部長は「これまでは稲作中心の研究と言う色彩が濃かったが、これからは県の試験場とも協力しながら稲作だけでなく、大豆を主体に麦も採り入れた栽培研究に力を入れ、転作作物の育成など地域農家の核となれる機関としたい」と水田利用の強化を強調する。研究結果の情報もこれまでのリストを整理し、最新の成果をパンフレットやパネル展示、さらにホームページを通じて公開することにしている。これまであったホームページはこのため更新中だ。