昔懐かしい農具や写真

農業科学館で収蔵物展

馬の力で田んぼを耕し、田植えは子ども総出だった(4月4日・水)

 農業科学館の収蔵物展大曲市内小友の県立農業科学館で「米作りの四季・収蔵物展」が始まった。同館が収集してきた昭和30年代以前までの農家が使っていた農具と湯沢市のアマチュア写真家・加賀谷政雄氏(故人)から寄贈を受けた農村風景の写真を展示しているもの。

 まだ機械化が進んでなかった昭和30年代以前は田んぼを耕すにも馬や牛の力を借り、田植え時や稲刈りシーズンには“猫の手”も借りたい忙しさとなり、子どもたちも総動員されて田んぼに出たものだった。まさに肉体労働の農作業だった。

 収蔵物展はその歴史を物語る農具を展示したもの。たい肥運搬用具の手ゾリ、背負いモッコ、二人モッコ、田んぼを耕すための三本鍬(くわ)、唐鍬、犂(すき)、田植え用の田型、人力型付け機、田船、除草用の草取り爪、草取り面、人力除草機。草取り爪は指先を傷めないよう指を保護する金属の爪。草取り面は腰をかがめ、顔を苗にくっつけるようにして草を抜き取る作業となるため苗が目に入って傷める恐れがあることから付けた面だという。足踏み脱穀機、籾(もみ)打ち棒、それに俵編み機などワラ細工用具や踏み俵、しょいこ、わらじなどワラ加工品など約50点が展示されている。

 目を引くのは加賀谷氏の写真だ。まだ小学生と思える幼い子までが田んぼに出て、田植えを手伝ったり、稲を運んだり、さらには今で言うベビーベッドでもある「えづめ」を田んぼに置き、その中の幼子をあやす男の子の姿などは感動させられる。赤ん坊を背負ってたい肥を運ぶ農婦。スカートを太股までまくり上げ、草取り機を押す少女の姿、馬を使って田んぼを耕す男性の姿など汗とドロにまみれた農作業、それでいながら家族が一つにまとまった温かさを写真からは感じられる。写真は40点ほど展示されている。展示会は22日まで。