共産党の奥井氏も仙北入り
秋田の元気を奪ったのは自民を強調(4月6日・金)
知事選は再選を目指す寺田典城候補(60)と自民・保守の推薦、それに公明党も推薦の名乗りを上げて勢いづく新人の村岡兼幸候補(43)の激突の狭間で共産党公認の奥井淳二候補(48)埋もれがちだが、5日と6日、精力的に大曲仙北での戦いを展開した。5日は西木村から運動をスタートさせ、午前中いっぱい田沢湖町を走った。同町のたざわこ芸術村で昼食を取った奥井候補は「6年前の佐々木喜久治さん、佐藤敬夫さんと3人で争った時に比べても我が党に対する反応は比べ物にならないほどです」と強がった。食堂入口で出会った有権者の一人は「おう。奥井さん。あなたの名前を書いて不在者投票を済ませてきてきたからガンバレよ」と励ました。「ハイ。頑張ります」と奥井候補。
5日の運動には佐藤文子大曲市議、須田信雄前市議、それに泉美和子六郷町議らが加わった。黙々と昼飯を取る奥井候補の元へ同党仙北地区委員会の冨岡昭委員長も駆けつけ、知事選が載った新聞のコピーを手渡した。昼飯を済ませた後は別室で30分ほど横になった奥井候補は午後1時きっかりに選挙カーに乗って午後からの戦いをスタートさせた。
先導車、そして選挙カーだけの陣容。「あちらはすごいでしょうね」と寺田、村岡陣営の列をなして車が続く派手な運動を佐藤市議は皮肉った。「ケーエスデー汚職、機密費疑惑の自民党政治はもうごめんです。むだな大型開発を止め、暮らしと福祉優先の奥井淳二です」とウグイス嬢を努める泉町議が呼びかける。田んぼにはそろそろ農作業の準備のため人も出始めている。角館町近くの田んぼで3人の農婦が手を振ってこたえる。「ああ。見えますよ。遠くからの声援、ありがとう」。スピーカーから流れる声は感情も昂り、奥井候補も窓から身を乗り出すように懸命に手を振る。
角館町では高久昭二町議が水先案内人となって先導する。役場前、公立病院前でそれぞれ15分の街頭演説。選挙カーの屋根に上がってマイクを握る奥井候補。病院前での演説では入院患者が窓を開けて手を振った。その様子に感動したのか奥井候補は病院に体を向けたまま語りかけるようにゆっくりと喋った。「一日も早く回復されることをお祈りいたします」と見舞いの言葉を送り、「誘致に失敗した大王製紙のために秋田県は800億円から1000億円ものむだな税金を使った。その金は戻って来ない。むだな大型開発事業を見直し、その金を老人ホームの建設や学校、道路整備、下水道など身近な所に回せば、働く場も確保され、景気も回復する。税金の使い方を少し変えるだけで県民の暮らしは豊かになるのです」と訴える。
そして「自民党の推薦を受けた候補は元気がない秋田県を取り戻すと言ってるが、秋田県の元気を奪ったのは自民党ではないですか」と反論。返す刀で「もう一人の候補者も減反を進め、大型開発をやろうとしている。このような人にも秋田県は任せられません」と訴える。
町中心部から農村部へと車はゆっくりとしたスピードで走る。対向車の人が手を振ってすれ違っていくと「ありがとう。温かいご声援ありがとう」とウグイス嬢が反応する。農道から農道へと縫うように車は走り、集落の隅々まで「奥井」の名前が浸透するよう呼びかける。人の姿が見られない峠道でも呼びかけの声は休まない。中仙町では同町の町議が出迎え、車に乗り込んだ。同町清水の商店街で再び街頭演説。路上に10数人が並んで耳を傾ける。「米価は28年前の値段に逆戻りしてしまった。減反、米の自由化。作れば作るほど赤字になる農業。私なら知事としてこれ以上の減反協力はできないと政府にハッキリ突きつけ、米を自由化の対象から外すよう働きかける」。さらに「米価の下がった分は県費で補てんする。そのためには28億円の予算が必要だが、県全体の予算からみれば200分の1に過ぎない」と訴えた。
夫婦で黙ってその声に耳を傾けていた商店主は「分かりやすい話だ。いいことを言ってる」と拍手を送った。演説を終えて一人ひとりと握手を交わす奥井候補は手応え充分とばかりにはにかみながら車に乗り込んだ。1日に10カ所から12カ所でマイクを握って演説するという奥井候補。
6日朝は須田前市議を案内人に大曲駅前で数人の聴衆を相手に演説をした後、商店街を走り、金谷町、浜町、船町など住宅街を塗りつぶすように走った。窓を開けて手を振る姿があった。わざわざ玄関を開けて車を出迎える姿もあった。逆に狭い小路ですれ違っても知らんぷりする冷たい反応もあった。しかし、おじけない。一人でも隠れた支持者を掘り起こそうとウグイス嬢は奥井候補の名前を読み上げ、「秋田の元気を奪ったのは自民党。今度の知事選で自民党政治の大元を変えさせてもらいます」と対自民党意識を強調する。