勢いに乗る寺田候補、秋田市で決戦
懸命に追いすがる村岡候補、公明の歯車も回転(4月13日・金)
知事選は明日14日で運動が終わり、15日の投・開票結果を待つばかりとなった。3月29日の告示以来、県内を走り続けた3人の候補者たち。県民は21世紀の県政の歩みにどんな審判を下すのか。今度の知事選は共産党公認で新人の奥井淳二氏(48)、自民・公明・保守党推薦で新人の村岡兼幸氏(43)、そして無所属で再選を目指す寺田典城氏(60)の3候補による戦いだった。告示と同時に激しい選挙戦が展開されてきたが事実上は村岡、寺田両候補による決戦の様相が日増しに高まった戦いだった。
「秋田を変えたい。秋田の元気を取り戻したい」と若さと行動力をアピールしてきた村岡候補。自民党は県内の組織力を総動員して寺田候補追い落としを狙ったが、「混乱した県政を建て直し、信頼回復に努めた寺田知事をなぜ今、変えなければならないのか」と県民が投げかける素朴な疑問を解ける有効なカギもないままの選挙戦となり、苦戦を強いられている。一方の共産党はこの2人の戦いの狭間に埋もれ、ムードに乗り切れない様相を深めている。
4年前の知事選では4人の候補者が出馬。だが、この選挙戦も事実上は新人の寺田候補と自民党推薦の新人候補との決戦だった。食糧費問題などで混乱しきった県庁内部を横手市長を辞任して出馬した寺田候補が「外から改革するか」、県庁内部から自民党に担がれた候補者が「内から改革するか」の戦いだった。結果は寺田候補が29万1589票、自民党推薦候補が26万3481票で、2万8108票差を付けて県民は外からの県政改革をキッパリと望んだ。もう一人の新人候補は6万4549票、共産党推薦の新人候補は3万6859票だった。
寺田候補は前回、大館市、本荘市でそれぞれ約3700票から約2000票の大差を付けられ、能代市でも約600票差を付けられた。郡部でも北秋田郡で約3400票、山本郡で約1500票、由利郡では約6800票、南秋田郡でも約500票、さらに仙北郡では約1万5000票もの大差を付けられて苦戦した。しかし、これをはねつけたのが秋田市と横手市、湯沢市であり、出身地の大曲市だった。さらに平鹿郡と雄勝郡のまとまりだった。秋田市では自民党推薦の候補に約2万票、そして県南3市で約2万1000票もの大差を付けたのが勝利へのバネとなった。
今回も構図は似ている。前回の知事選から野党に下った自民党は「いたずらに議会と対立を深めるばかりだ」と反寺田ののろしを揚げ、自民党の大物代議士・村岡兼造氏の長男兼幸候補を担ぎ出して推薦。中央から野田聖子、小渕優子、さらには小泉純一郎代議士といった著名な代議士を次々と招いててこ入れを図ってきた。一方の寺田候補は民主、社民両党の支援を受けてはいるものの「政党」の推薦は受けず「県民党」を標ぼうして無所属での戦いを展開、無党派層への浸透を図ってきた。連合秋田も全面的に支援、労組が活発な組織票の掘り起こしを図っている。
前哨戦では自民党の組織力に県内若手経営者の集まりである「秋田・未来をひらく県民の会」を中心とした青年会議所メンバーのてこ入れもあって、現職の寺田候補と新人の村岡候補の互角の戦いかとさえも思われた。しかし、選挙戦本番に入ってからは「寺田知事のどこがだめなのか」とする県民の疑問に答えられる説得力もなく、さらに親子で権力の座に就くことへの抵抗、加えて初の県南からの知事を守りきろうとする防衛意識も手伝って県南では寺田候補が優勢な戦いの展開となっている。
寺田陣営では「前回は仙北郡で1万5000もの差を付けられたが、今回は逆転も不可能ではない」と強気の読みだ。仙北郡での前回の敗因は、自民推薦候補が角館町出身と言う地盤の利があった。今回はそのハードルがない。また前回苦戦した県北でもこの4年間の実績が買われ、「日増しにいいムード。能代市、鹿角市でも勝てる」と読み、相手候補の地元である「本荘・由利でさえも気持ち悪いくらいの手応えだ」と波に乗った様子を強調、最後の決戦地・秋田市での勝利を目指そうとしている。12日、再び出身地の大曲入りした寺田候補。内小友から中西根を経て市役所前、駅前商店街、そして四ツ屋へと回った。仙北組合総合病院では看護婦、医師、職員らがこぞって寺田候補を出迎え、歓迎フィーバー。四ツ屋地区でも各地で熱狂的な歓迎があり、陣営を元気づけた。前回、大曲市では寺田候補1万2074票、自民党候補8156票。その差は3918票だった。陣営はもっと差が開くはずと勝利への方程式を読む。
一方の村岡陣営は「新聞の世論調査では寺田氏に優位に立たれているようだが、こちらは粛々と残された戦い日程をこなし、勝利を目指したい」と気を引き締める。県南は御法川英文代議士、そして村岡代議士が全力を挙げ、昨年6月の衆院選では村岡氏が約17万票と圧倒して9選を飾った。その組織力で票を掘り起こし、秋田市を決戦の場として最後の戦いに臨もうとしている。支える自民党県議団も支持者に活発に声を掛け、票の掘り起こしを図り、追いつこうとしている。公明党も推薦に回ってからは活発に創価学会員に村岡候補への支援を呼びかけ、歯車が回り出した。
共産党の奥井陣営は「秋田の元気を奪ったのは自民党」と自民党を真っ正面から批判、同時に寺田候補も「県民に減反を進め、大型開発をやろうとしている人に県政を任せられない」と訴え、無党派層への浸透を図り、7月の参院選に向けて党勢拡大に躍起だ。
有権者数は3月28日現在で97万432人。内訳は男性45万5098人、女性51万5334人。投票は午前7時から午後8時まで行われ、即日開票される。大曲市は午後八時45分から圏民体育館で開票作業を行い、同10時前後には終了する予定だ。同市の有権者数は男性1万4986人、女性1万7139人の合わせて3万2125人。13日朝までの不在者投票数は1493人となっている。最終結果が判明するのは午後11時15分ごろの予定だが、その前に当確がはっきりする可能性が高い。