広域圏日本語講座始まる

大曲市と郡内13町村が協力

国際結婚で増える外国人へ言葉の支援(4月18日・水)

 日本語を学ぶ外国の人たち国際結婚などで大曲市仙北郡の市町村で生活している外国人のための「大曲仙北広域圏日本語講座」の開講式が17日夜、大曲市の広域交流センターで開かれた。受講申し込みのあった約50人のうち、中国人やフィリピンから嫁いできた女性、そして英語指導助手のALTや研修のためにこちらで暮らしているアメリカ、イギリス、ニュージーランド、カナダ人ら23人が参加した。講座は今後、大曲公民館(毎週木曜日=昼)、広域交流センター(毎週火曜日=夜)、角館交流センター(毎週土曜日=昼)を会場に1年間続けられる。

 中国やフィリピンからこちらに嫁いで来る人たちは年々、増加傾向にある。しかし、嫁いできても一番の悩みは言葉の壁。言葉が通じないため地域社会への参加の足かせになったり、家族、特に姑さんとの意志の疎通がうまく行かなかったりして結婚生活に陰を射す傾向も多い。こうしたことから県は1995年から大曲市と角館町で在住外国人を対象に日本語ボランティアの協力をもらって日本語講座を開講してきた。しかし2000年度でその事業も終了して、各自治体での対応が求められていた。このため大曲市と仙北郡13町村が広域で講座を開講することになり、均等割り、外国人在住者割などで各市町村の負担額を決め、総額233万円を予算化した。広域で取り組むのは県内で初のケース。

 事務局の市教育委員会によると昨年4月30日現在の大曲・仙北広域圏在住の外国人は299人だったが、12月末現在でさらに371人と一挙に増えている。大曲市では結婚して市内に移り住んだ外国人のために県の事業より1年早い94年から単独で日本語講座を週1回、日中に開催、県では夜しか通うことができない人を対象に講座を開いてきた。受講者は昨年9月1日現在で大曲会場に67人、角館町会場には22人が通った。

 しかし、県の事業が終了することによって地域国際化の停滞や地域社会への参加促進が途絶え、言葉の壁によって幸せな家庭維持にも支障が来すことになっては折角の国際結婚も不幸を招くだけ。このため14市町村が経費を負担して講座を開設し、外国人への支援体制を整えようと昨年夏の大曲・仙北教育長部会で話し合い、仙北郡町村会に要望。去る1月24日の町村長会議で承諾を受け、予算化した。

 開講式で笹元嘉辰市教育長は「日本語講座を大曲市と仙北郡の町村が一緒になって開くことになった。皆さんは日本の生活に慣れ、言葉も勉強しなければならないから大変だと思う。日本語は難しいと言われているが同時にとても美しいとも言われている。できたら秋田弁も交え、正しい日本語を身につけてもらいたい」と励ました。そして日本語ボランティア研修を受けた講師に委嘱状を手渡して開講式を閉じた。講師として大曲会場担当に7人、角館町会場は4人が登録していると言う。

 講座はすべて日本語を使って進められる。相手にリンゴや本、ラジカセ、現金などの模型やおもちゃ、写真や絵を見せ、「これはリンゴです」と反復し、さらにそのリンゴを相手に持たせ、今度は「それはリンゴです」と「これは」と「それは」の言い回しの違いなどを覚えてもらう方法だ。最も大事なのは家族関係のコミュニケーション。嫁ぎ先の義母や義父との交流と理解を深めてもらうために「おはようございます」「ありがとう」などあいさつの基本が大切。中国から嫁いだ人の中には全く日本語を話せないで、漢字を使って意志の疎通を図る人さえいるという。

 講師の一人、鈴木通明さん(40)=家庭教師・大曲市大曲字荒町=は「中国の人たちはどうしてもノートに書かないと勉強にならないという感覚。こちらは頭で覚えてもらいたいと思って言葉を反復して教えるのだが、学習意識の違いなんでしょう。それでも20代の若い人なら飲み込みも早いのですが、30代以上になると覚えてもらうまでに時間がかかり、根気の勝負となります」と日本語指導の難しさを話す。開講式終了と同時に講座が開始されたが参加者の向学心は高く、講師の言葉に熱心に耳を傾け、飲み込もうと努力していた。