大曲市で成人式

328人が出席、静かに式を挙行

自己の行動に責任を持ち、大人としての自覚を誓う(8月15日・水)

 式典後、記念写真に収まる新成人大曲市の成人式は15日午前10時から市民会館で挙行された。今年の新成人は男子237人、女子211人の合わせて448人。市では個別に案内は出さず、広報で2回参加を呼びかけただけだったが、328人の新成人がそれぞれ思い思いの服装で着飾って参加した。73%の高い出席率だった。参加者全員に日常出版社の「20歳からの冠婚葬祭」が贈られた。

 「ワー。ナオミー」「キャー。アキラー」。受付開場では目線と目線が合っただけで甲高い、悲鳴のような声が行き交う。高校を卒業以来、大学生、あるいは社会人として東京や仙台など大都市で暮らす人。地元の企業に就職して頑張っている人。様々な人生を歩みながら迎えた成人式だ。男子は黒やグレーのスーツ姿にはやりの茶髪が目立ち、女子はお花畑のようなカラフルな服装での参加だった。みんな手にしているのは携帯電話。もう一児の父・母になっての参加者もいた。大曲中学校出身の児玉勝さん、奈保子さん夫妻。二人は1歳になった夏音(かのん)ちゃんを連れて受け付けを済ませた。同級生がいっぱい二人を囲み「おめでとう」と祝福した。仙台のタイヤ製造メーカーで働いていると言う児玉さんは「父親になったから、しっかりやっていきたい。成人式への参加はそのためのセレモニーです」と答えた。

 昨年以来、「荒れる成人式」と全国的にひんしゅくを買った若者たちだが、大曲市の式典はざわつくことも、私語を交わす人もなく、静かで厳かな雰囲気で始まった。企画と運営はすべて地元在住の成人対象者が市教育委員会と打ち合わせて決めた。「だらしないと言われないようにしよう」。参加者の一人ひとりにそんな自覚があったのだろう。

 高橋司市長は代表の今野恭幸さん(大曲西中出身)に「成人証書」を授与した後、自身の戦争体験や戦争を招いた歴史を語りながら「戦争は宗教問題も絡んだ感情と国土を拡げようとする経済問題で起きた。しかし、悲惨な戦争は決して起こさないようにしなければならない」と訴えた。そして「自分も含めた社会の幸福」を求める夢を持つようにと呼びかけた。

 続いて第2回新人音楽祭で奨励賞を受賞した3人グループによる木管三重奏と新成人代表によるピアノ演奏が行われた。その間もみんな静かに音を聞き入っていた。

 来賓の山口博司県地方部長が寺田知事からのメッセージを読み上げ、大坂義徳市議会議長が祝辞の言葉を述べた。最後に新成人を代表して片桐恵次郎さん(大曲中出身)と高城全美さん(大曲南中出身)が「大人として自己の責任で判断し、社会のために何ができるかを考えながら行動することを誓う」と誓いの言葉を述べた。恩師を代表して新成人が中学3年生だったころ、大曲中学校で教鞭を取った九嶋正明先生(現中仙中)が「不透明な時代だが、弱者を思いやる心を隠し味として大事にしてほしい」と呼びかけ「世の中の順番である死ぬ順番だけは間違わないで」と自分の人生を大切にするよう訴えた。

 式典が終わって会場の外へ出た若者たちは同級生らと肩を並べ盛んに記念写真を撮っては再会を喜び、携帯電話で連絡を取りながら同級会への参加を誘い合っていた。一方、市選管では式典が始まる前に受付会場に投票箱を用意し、選挙の意識調査を行った。若者の選挙への関心度を高めてもらう狙いで、後で結果をまとめることにしている。