大曲の花火に64万人

豪華絢爛に光りと音の競演

総理大臣賞は愛知県の磯谷煙火店(8月26日・日)

 規模、内容とも全国一の折り紙が付けられている第75回全国花火競技大会(大曲市、大曲商工会議所、市観光物産協会主催)は25日、晴天に下、午後5時から昼花火、同6時50分から夜花火が打ち上げられ、今年も記録を塗り替える過去最高の64万人(大会本部発表・昨年62万人)の観客を魅了させ、音と光りの華麗な競演に幕を閉じた。参加した花火業者は全国から選りすぐられた県内4社を含む29社(1社棄権)。26日午前10時から平安閣大曲で表彰式が行われたが、夜花火の部での最優秀賞・内閣総理大臣賞に輝いたのは愛知県の株式会社磯谷煙火店だった。創造花火の部の優勝は、「ハチャトリアンの『剣の舞』」を音楽と光りで演じた秋田県の株式会社「北日本花火興業」で、経済産業大臣賞を受賞した。10号割物では長野県の株式会社紅屋青木煙火店が優勝し、中小企業庁長官賞を受賞した。昼花火の部では静岡県の株式会社イケブンで秋田県知事賞に輝いた。

 ドーン、バリバリバリッ。夜空を突き裂くような大音響。華麗に舞う光り。「ウオー」「キャー」。会場の雄物川河川敷を立錐の余地もないほど埋めた観客からは言葉にもならない感動の声がうずたかく舞い上がった。午後6時50分、恒例の500メートルの長さに及ぶ「ナイヤガラの滝」に点火されると同時に夜空を焦がす「大曲の花火」。赤や青、銀、金色の極彩色の光りが漆黒の夜空を染め、巨大な光りの絵を描く。伝統と格式を重んじ、参加した花火師自らが趣向を凝らせて打ち上げる。夜花火は10号割物(1寸)2発と創造花火の組み合わせで優劣を競う。昨年からは内閣総理大臣賞も加わり、「大曲の花火で優勝することは花火師にとって最高の名誉」と花火師の技と心も燃え上がらせる。

 クライマックスは午後8時半に打ち上げられた大会提供の「HANABIでセッション?ジャズコンサートの世界へ」。「大会ていきょうー」。間延びしたような独特の呼び名が流れると会場は待ってましたとばかりにどよめき、そしてだれもが唾を飲んだ。静まり返った会場にドドドッと火柱が右へ左へと躍り上がると「ウワー」とばかりに桟敷席を埋めた観客は悲鳴のような声を挙げた。花火がジャズのリズムに乗って夜空を焦がす。「ああ。踊ってる。花火が踊ってる」。夜空の大キャンバスを焦がす光り、光りの渦。見上げるだれもが呆れたように口を開け、5分30秒、1600発の花火の芸術に酔いしれた。

 優勝者以外の主な入賞者は次の通り。

 【創造花火の部】▽準優勝=磯谷煙火店(愛知県)▽優秀賞=丸玉屋小勝煙火店(東京都)、太陽堂田村煙火店(長野県)、篠原煙火店(同)
 【10号割物の部】▽準優勝=山内煙火店(山梨県)▽優秀賞=太陽堂田村煙火店(長野県)、三遠煙火(静岡県)、磯谷煙火店(愛知県)
 【昼花火の部】▽準優勝=大曲火工新山煙火店(大曲市)▽優秀賞=篠原煙火店(長野県)、仙北火工(神岡町)
 【特別賞】▽文部科学大臣奨励賞=篠原煙火店(長野県)▽日本煙火協会長賞=イケブン(静岡県)