仙北郡内クマ出没相次ぐ

有害駆除申請は昨年の3倍近くに

エサ不足か、トウモロコシ畑を荒らすクマ(8月30日・木)

 仙北郡内でクマの出没が相次いでいる。29日早朝には神岡町神宮寺の県畜産試験場奥の畑にクマが出没、畑のトウモロコシ1200株のうち600株が食い荒され、約3万円の被害を受けたほか、30日朝には西仙北町強首字上野台の畑にクマが出没、やはりトウモロコシ約40本が食い荒され、3200円相当の被害が出た。前日にも近くの畑がクマに荒らされ、西仙北町役場では近くに小学校や中学校があるため登下校の際に注意するよう呼びかけたほか、県仙北総合農林事務所に有害駆除の申請を出して猟友会が警戒している。大曲署でも広報車を出して住民に警戒を呼びかけている。

 同農林事務所によると今年は異常と言えるほどのクマの目撃例が多い。今年に入って同事務所にクマの有害駆除の申請があったのは30日現在で34件に達している。そのうち19件は緊急を要するものとして口頭で許可された。昨年の有害駆除申請は1年間で12件だから、既に3倍近い申請数だ。しかも、昨年はクマが出たとして有害駆除の許可を出したのは9月と10月だけだったのが、今年は角館町から5月に申請が出されたのをはじめ、クマの出没も異常に早まっている。有害駆除によって仕留められたクマは今月上旬に田沢湖町で1頭、そして協和町では7月下旬と今月上旬の2頭で、計3頭となっている。

 なぜこうもクマの出没が相次ぐのか。同事務所では昨年秋にクマが好んで食べるブナの実が大豊作で、栄養状態が向上し春先にかけて小グマが多く生まれ、頭数が増えたのではないかと推測する。同時にブナの実やタケノコなどクマと同じエサを食べるネズミも増加し、エサの絶対量が不足した結果ではないかと見る。

 目撃されるクマはいずれも体長1メートル前後の若いクマ。クマは成長し、大人になるほど山奥を行動範囲にするとされ、力のある雄や親子連れに追い出されて行き場を失った若いクマが人里に下りて食べ物を求めているのではないかと話す。しかも収穫期を迎えたトウモロコシを一度食べて味をしめたクマは同じ場所に続けて出る。人家や学校近くだけに大曲署でも住民に注意するよう喚起している。