僕の名前はクリントン

ウサギが老人ホームのマスコットに(12月17日・月)
 
 ウサギに愛の手を差し伸べるおばあさん大曲市角間川町の特別養護老人ホーム「サン・サルビア」(古屋一彦施設長)のマスコットは栗毛色をしたウサギだ。1999年の開所以来、入居しているお年寄りの一員として暮らし始め、間もなく3度目の正月を迎える。

 「家族と離れて生活している人たちに愛情を注ぐ対象を与えないと精神的ストレスの蓄積になる」と古屋施設長が心の治療に役立てたいと市内のペット店から買い求めた。

 名前は何と前アメリカ大統領のクリントン。まだ生れて間もないころはお年寄りの部屋へ遊びに行って可愛がられた。しかし、成長とともに前歯がうずき出してか、室内に装備している冷蔵庫の電気コードをかじるなど悪さも目立つように。火災になっては大変と、それ以後は玄関ホールに置かれたケージの中での生活となった。

 入居しているお年寄りは50人。みんな動物好きだ。一日に何度も玄関ホールに車いすで訪れ、ウサギの顔を見に来ては頭をなでたり、抱っこしたり。そうしたおじいさんやおばあさんたちのために時折、ケージから外へ出してもらうとピョンピョンと跳ねて大喜びするクリントン。

 中にはチョコレートやせんべいなどお菓子を持ってくるおばあちゃんも。ベジタリアン(菜食主義)だけにお菓子の差し入れはお断りしている。ひげを引っ張るいたずらじいさんも来る。「食べたらさぞやうまいだろうな」と物騒な会話をする人もいて時にはハラハラさせられるクリントンだ。

 しかし夏は冷房、冬は暖房と暑さ寒さ知らずの快適な住環境。おまけにエサは市販のラビットフードと至れり尽くせり。お年寄りに可愛がられのんびり暮らす毎日だが、もうすぐクリスマスもやって来る。サン・サルビアの住人としてパーティへの出番を待っているとか。