大曲市で女性起業アグリフォーラム
農家の主婦4人が起業活動の実践報告(2月5日・月)
大曲市女性起業アグリフォーラムが5日、地域職業訓練センターで開かれ、農家の主婦たちが「販売ルートにのせる農産加工品づくり」をテーマにパネルディスカッションを行った。フォーラムには100人の農家の主婦たちが参加、パネラーとなった4人の報告に熱心に耳を傾けながら、野菜や漬け物、それに農産加工品などをどう起業活動に結びつけるかを考えた。市農業総合指導センターの主催。
始めに大潟村の女性農業士の武石朋子さんが「将来を見つめた経営と暮らしは家族経営協定から」と題して基調講演。続いて「秋田花まるっ大学グリーン・ツーリズム」で海外研修してきた四ツ屋の石橋まゆみさんと角間川町の古谷恭子さんがその報告をした。そして午後からパネルディスカッションとなり、内小友わかば会の佐々木幸子さんが「鴨鍋や漬け物各種の販売にむけて」、サラダ会の佐藤昌子さんが「果樹農家の販売作戦、そして今後の販売方法」、モロヘイヤ乾燥部会の佐藤康子さんは「大曲特産モロヘイヤを加工して」、宅配部会の須藤敬子さんは「おふくろの味宅配に託して」と題して実践報告した。 コーディネーターとなったのは仙北地域農業改良普及センターの久米タツ子副主幹。久米さんは3、4の両日、イーストモールで開かれた「生活技術開発展」を引き合いに「大曲市の生活技術開発展は単なる農家の主婦たちの生活技術の工夫ではなく、いかに販売に結びつけるかを視点にしてきた。それが実を開き、今では農家経営の一つの柱にまでなっている。今日はどんなふうに頑張ったら販売に結びつくかを話し合いたい」とパネラーにマイクを振った。
最初に佐々木さんは「米を中心とした経営だったが、米価の低迷で米の収入は下がる一方だ。何とか収入に結びつくことをやりたいとアイガモと無農薬栽培の米と自家生産の野菜をセットにしたきりたんぽとアイガモセット、それに10種類の漬け物を入れた漬け物宅配セットの販売を始めた。チラシと口コミだったが、次第に注文も増え家計を助けるまでになった。漬け物セットはスーパーでも販売するようになったが、自宅に電話で注文も来るようになった」と成功につながったことを報告。そして「ちょっとした発想でいろんなことが出来る。ただ全責任が自分にかかってくる。とにかく自分の頭と手足を使い、相手の信頼を得ることが大事だ」と訴えていた。
果樹農家の佐藤さんは「リンゴやナシ、桃などを栽培しているが、自分で作ったものに自分で値段を付けられる楽しみがある。スーパーにないものを栽培し、直売するように手がけているが、手伝ってくれている人たちが高齢化したため、労力が心配になってきた。これからはインターネットでの販売も考えたい」と前向きな姿勢を示した。
モロヘイヤを乾燥させてその粉末の販売に力を入れている佐藤さんは「栄養素が高いと評判で、玉子焼きやホットケーキ、寒天などに使われている。JAを窓口にしたおかげで消費者に信頼と安心を与え、九州や関東などからも注文を頂いている。ただ組織が小さいため大きな受注に応えられないのが悩みだ」と話していた。
夏と暮れに「おふくろの味」として「あきたこまち」や味噌、なすのふかし漬け、シソの実、おやきなどを宅配便で販売している「おふくろの味」宅配部会の須藤さんは「お客さんのニーズに合わせる工夫をしている。そのためにもいろんな活動をしている人たちとの交流を大事にし、そこから長所を学びとり、仲間みんなと楽しみながら仕事をするようにしている」と話題を提供していた。そして「これまでは市や農協の力を借りてきたが、これからはもっと自分たちの力で販売先や顧客を確保するというのが課題で、そういうグループ作りをしたい」と話した。
パネラーの4人とも「待っているお客さんがいると言うことが一番、嬉しい」「自分の製品に自信を持つことが大事だ」「スーパーにないものを売るんだという姿勢を持ち続けたい」とも強調し、聴衆に感動を与えていた。
最後に助言者として同席した県農業試験場経営計画部の清野誠喜さんは直売所に対する消費者の評価は「清潔さがない、品ぞろえが不足、お客への対応が悪いなどマイナスのイメージがある」と述べ、顧客の満足度を得るためには「商品の新鮮さ、品ぞろえ、調理方法など説明が大事」とアドバイス。さらに「買ってくれそうな見込み客を確保するには顧客との関係維持が大事で、そのためにも顧客名簿を作成し、案内状を発送するなど努力も必要」と売るための工夫を強調。また「インターネットを活用した市場もこれからは伸びる」とし、「何でもかんでも自分でやると言う考えは捨て、味噌など素材の一つに他社の製品も活用する相互協力の姿勢も大事」とも訴えた。そして最後に農家は農産物を作るだけでなく「食事も提供しよう」と言った取り組みも提案していた。