市町村合併に向けた広報誌発行
「仙北はひとつ」と広域合併を提言(2月7日・水)
大曲商工会議所(石川勝三会頭)はこのほど仙北圏市町村合併への提言「広域都市ビジョン策定にむけて?仙北はひとつ?」と題した広報誌をまとめた。2500部印刷し、大曲市と仙北郡内の町村役場、議員、商工会議所会員、商工会へ発送した。石川会頭はあいさつで「少子高齢化の問題、国・地方の財政のひっ迫と国民負担の問題、環境問題、複雑多様化する行政需要などを考えると、現在の市町村の枠組みでは対応は困難と思われる。自分たちの市町村が今のまま進んだ場合の10年後、30年後はどういう姿になるか。財政上の問題と今後新しく発生する行政需要を考えればだれの目にもはっきりしている。商工会議所としては色々な機会をとらえ、住民、議会、行政の広い範囲との連携を計りながら、合併の理念とパターンについて検討を重ね、広域合併による地域の経済や暮らしの活性化を強く推進したい」と述べる。
広報誌では「地域の現状と未来」と題して国と地方の財政危機、合併に向けた政府の施策を説明。さらに「広域ビジョン策定の必要性」と題して市町村合併はなぜ必要なのかを訴える。そして「市町村合併のすがた」と題して合併のシュミレーション、さらに「期待される合併効果」と題して財政的な面での有利さなどを詳細に説明している。
まず地域の現状と未来では国と地方の長期の借入金残高は平成13年3月末で642兆円、うち地方財政が184兆円と危機的状況に陥っているとし、財政の悪化をさけるためには税収に見合った額まで歳出の抑制はもちろん、少ない予算で効率よく使うことも求められるとして合併問題も含めた地方自治体のあり方を問う。そして政府も平成12年12月に「全国の市町村3279団体を1000に減らす」との目標を明記した行政改革大綱を閣議決定。合併特例債や合併特別交付金など矢継ぎ早に合併に向けた支援策を打ち出しているとしている。
市町村合併はなぜ必要なのかでは▽隣接市町村での「○○センター」「○○福祉会館」など類似施設の建設など無駄を省け、効率的な行財政運営が図れる▽地方分権は、住民に身近な行政の権限を地方自治体に移し、地域の創意工夫による行政運営を推進するための取り組みだが、これを円滑に進めるためには地方自治体にも行財政基盤の強化が求められる▽交通網の発達で生活圏が拡大し、行政も広域的に対応する必要がある−としている。
市町村合併のシュミレーションとして広報誌では県がまとめた「21世紀の広域的まちづくり研究」を参考に3つのケースを挙げている。その一つは「都市・町村融合型」として「大曲市・仙北町・神岡町・南外村」の4市町村の合併。町村振興型として「角館町・田沢湖町・西木村」の北仙北3町村の合併。そして「広域圏発展型」として協和町と北仙北3町村を除いた「大曲市・神岡町・西仙北町・中仙町・千畑町・仙北町・南外村・六郷町・太田町・仙南村」の10市町村の合併を挙げている。協和町を除いたのは通勤や通院のデーターをみても秋田市圏域に入っているためだ。
期待される合併効果では「都市・町村融合型」の場合、人口は約5万8000人となり、一般会計の歳出額の合計(平成10年度)は271億円だが、国の合併特例債として認められる起債による事業費ベースは248億円に膨らむ。さらに合併直後の臨時的経費の補助が6億円、合併特別交付金が6億円、そして合併による経費の削減効果は年間15億円と算出。さらに「広域圏発展型」の10市町村の合併になると人口は約11万3000人と大きく膨らみ、一般会計の歳出額の合計も596億円となる。しかも合併特例債事業費ベースは651億円と一般会計の歳出額よりも大きく拡大するメリットがある。また合併直後の臨時的経費の補助も21億円、合併特別交付金も10億円となり、合併による経費の削減は53億円としている。一方、「町村振興型」の合併としてシュミレーションを組んだ北仙北3町村も人口は約3万3000人となり、一般会計の歳出額の合計も198億円、合併特例債事業費ベースも169億円と試算。さらいん合併直後の臨時的経費の補助は21億円、合併特別交付金も7億円となり、合併による経費の削減効果は12億円と算出している。この数字はいずれも県の「21世紀の広域的まちづくり研究」から引用した。
広報誌では合併によって「年間予算と同額規模の財源が国・県から確保でき、大規模なまちづくりの基盤整備が実現できる」「行政の効率化により財政の基盤が強化され、将来の少子・高齢化の行政需要に対応できる」「住民の生活圏の拡がりに対応した生活基盤づくりができる」「施設の重複を避け、事業の機能的・一体的な整備が可能」「行政が地域経営主体として、農業・観光などに一体的な取り組みが可能になる」などとしている。
ただ国の合併特例債は平成17年度までの時限立法であり、その適用を受けるためにも急がなければならないと強調している。
最後に広報誌では「官民の連携で広域合併のビジョン策定を」と題して「広域合併に向けた地域のビジョンが形成されないまま、国の上意下達の施策で合併がなされることは最も憂慮されるべきことであり、地域経営のリーダーである首長、議員の皆さんが主体となり、地域の将来について検討・議論し『自主的な合併』と言う観点から広域合併のビジョンを策定すべきだ」と提言している。
広報誌をまとめた大曲商工会議所では「広域圏の住民に市町村合併の必要性を広く理解してもらい、世論を喚起したいというのが今回の広報誌発行の狙いだ。合併に向けての判断はあくまで市町村にあり、民としてはこれ以上、言えない」としている。