過去最大の153億円に
市民電子会議室などIT事業に重点(2月10日・土)
大曲市は9日、平成13年度当初予算を発表した。一般会計の予算総額は153億9873万2000円で、当初予算としては初めて150億円を超えた。12年度に比較し12億6539万9000円の増、率にして9%の増という積極型の予算編成となった。しかし、財政的には国からの地方交付税の大幅減額や景気低迷による市税の伸び悩みなどで財政調整基金から4億円以上もの金額を繰り入れたり、13億円を超える市債を導入するなどしての編成となった。市は第5次開発基本構想後期計画の最終年度であり、その総仕上げの年として新規施策や継続事業に重点的に予算を配分したと言う。また予算が昨年よりも9%プラスとなった要因は花館小学校の校舎改築事業費やIT(情報技術)を利用した情報ネットワーク構築の観点から職員1人1台のパソコンの整備を図る地域情報化推進経費を計上したことや総合公園内の野球場建設事業、それに飯田線道路整備事業がピークを迎え、大幅に事業費がアップしたためによると言う。
約153億4000万円の一般会計のうち最も大きい財源は地方交付税で約50億1000万円、予算全体の32%を占める。次いで市税の約40億9000万円で、予算全体の26%となる。しかし、地方交付税は昨年に比べ約3億円の減、市税も約9300万円の減収となった。このため財政調整繰入金や市の借金である市債13億円を導入しての予算編成となった。
歳出で最も多いのが土木費と民生費で、それぞれ約30億円を計上、この二つの部門を合わせると予算全体の4割を占める。次いで教育費と総務費がそれぞれ約18億円で、この二つの部門で24%を占める。市の借金の返済に充てる公債費も約16億円と大きく、予算全体の10%を超えた。それでも市民の健康管理面である衛生費にも力を入れ、全体で約15億円(10%)近い予算を投入した。
特別会計は国保事業、老人保健、農業集落排水事業、下水道、学校給食、介護保健など12部門で約113億5000万円とした。病院事業会計、水道事業会計の企業会計予算は約21億5800万円とし、この特別会計と企業会計、それに一般会計を合わせた同市の予算額は約289億円となった。高橋司市長はこの日の記者会見で「21世紀の発展基盤の構築や福祉施策の充実、教育環境の整備や環境にやさしい街づくりなどが一体的に推進できる予算と考えている」と述べた。
歳出の主な新規ソフト事業としては、日本新生緊急基盤整備事業を活用した地域情報化推進経費で、「仮称『大曲市民電子会議室』」のシステム開発、図書館情報発信システムの開発、職員1人1台のパソコン配備などを挙げている。また国のIT政策に伴う情報通信技術講習事業では対象者を1600人と見込んで市の施設や民間の施設で講習会を開く経費を計上した。ただこの職員1人1台のパソコン配備が機械を使いこなし、さらに各課との垣根を取り払い、いかに市役所機能の効率を高めるかという役目を果たさないと単なる内向けのぜいたくな予算配備となり兼ねないという要素をはらんでいることにもなる。
少子化対策としては、子育て支援事業の提供や情報誌の作成、介護保険事業では家族介護慰労金事業、生活管理指導短期宿泊事業などの経費を計上。農政面では厳しい農業情勢に対処するため転作拡大分への緊急支援措置、農地集積を推進するための利用権設置支援経費の助成などを盛り込んだ。ハード面では花館小の改築事業のほか、生活環境の整備として、し尿の単独処理槽やくみ取り処理から合併処理浄化槽に切り換える場合に市単独でかさ上げ補助する経費、生活雑排水の流入で悪臭の原因となっている用排水路の整備をする快適住環境整備事業費、そして駅東線の道路設計及び土質調査経費を計上した。
各部門ごとの主な事業を紹介する。端数は切り捨てた。
【総務費】▽広報発行及び活動費=1131万円▽庁舎管理費=8400万円(耐震診断、電気設備調査委託料)▽交通安全対策費=1900万円▽企画費=1億400万円(地域情報化推進経費で職員1人1台パソコン整備・150台、大曲市民電子会議室(仮称)システム開発、図書館情報発信システム開発、庁内無線LANネットワークシステム▽市民会館費=6900万円(自主事業公演は5回)
【民生費】▽社会福祉協議会補助金=1200万円▽重度身障者移送費給付事業350万円(通院などのタクシーの一部補助)▽身障者ディサービス事業費(新規)=1300万円(角間川町のサンサルビアでのディサービス)▽身障者ディサービスセンター整備費補助金=1300万円(西仙北町に建設)▽身障者福祉費=1億4000万円▽敬老の日事業=9700万円(金婚式は廃止、敬老会への招待も会場確保のため75歳以上を76歳以上に、100歳祝い金100万円)▽介護サービス事業費=200万円(市単独の上乗せサービスで訪問介護や訪問入浴など)▽介護予防生きがい対策費=1800万円(軽度生活援助、老人ホームなどの空き室を利用した生活習慣指導など短期宿泊事業、家族介護慰労金など)▽高齢者住宅整備資金貸付金=150万円▽福祉作業所運営事業費=540万円▽知的障害者グループホーム事業=168万円▽福祉医療扶助費=1億6000万円▽地域子育て支援センター事業費=330万円(子育て支援情報の提供や情報誌の作成で中央保育園に設置予定)▽保育所運営事業費=7億5800万円
【衛生費】▽在宅外科当番医運営委託費=500万円▽母子保健推進費=680万円▽乳幼児健診及び予防接種費=2800万円▽保健事業費=8500万円(基本健診委託料で新規に潜在している糖尿病患者の早期発見のための検査も実施)▽環境基本計画策定費(新規事業)=1000万円(生物分布調査、環境作文コンクールなど)▽合併処理浄化槽整備事業補助金3800万円▽ゴミ不法投棄防止及び清掃週間経費=270万円▽ゴミ収集委託料=5500万円▽廃棄物減量化対策費=1200万円(11月からごみ袋は燃やせるごみ、燃やせないごみ、資源ごみ[ビン・缶]、資源ごみ[ペットボトル]の4種類になる予定)▽粗大ごみ処理対策費=560万円▽大曲市外9カ町村清掃事業組合負担金=5億2000万円
【労働費】▽出稼ぎ対策費=230万円▽働く婦人の家管理運営費=540万円(託児室エアコン設置など)▽シルバー人材センター運営費補助金=1200万円▽大曲市若年者雇用助成金=500万円(新卒者・Aターン者の雇用に対する助成
【農林水産事業費】▽担い手支援事業費=1400万円(農地利用権設定支援事業、農地集積に対する出し手、受け手への助成、組織経営体を対象とした農機のリース事業への補助など)▽生産基盤整備事業費=430万円(農業用廃プラスチック処理支援、無人ヘリコプター操作オペレータ養成補助、ライスセンター経営安定支援事業など)▽生産調整推進事業費=3400万円(転作拡大分への緊急支援事業など)▽都市農村交流促進事業費=98万円(女性農業者海外研修補助)▽野菜・花きなど生産振興費1100万円▽森林病害虫防除対策費=1600万円(松くい無視対策)▽快適居住環境整備事業費=1400万円(生活雑排水の流入による悪臭の原因となっている用排水路の整備)▽県営土地改良事業費負担金=1億4000万円▽ふるさと農道緊急整備事業費負担金=1800万円(市道宮林線)▽土地改良事業費負担金=400万円▽鮭資源確保活用事業費=1200万円(鮭の放流、ふ化放流部門など)
【商工費】▽産業展示館整備事業費=200万円(第1展示室を研修施設としてリニューアル)▽中小企業活性化対策費=3億4700万円(中小企業振興資金保証制度保証料補給金など)▽大曲商工会議所補助金=1200万円▽ねむのき駐車場管理費=9800万円▽駅東駐車場管理費=1300万円▽大曲市観光情報センター管理運営費(2800万円)▽大曲市観光物産協会負担金=1400万円(第75回全国花火競技大会800万円、市民まつり180万円、秋田おばこ節全国大会200万円など)
【土木費】▽道路整備費=10億9000万円(駅東地区まちづくり整備事業4500万円、市役所前通線交通安全施設整備事業4000万円、須和町戸蒔線道路改良事業8000万円、上中町新町線道路改良事業2億2000万円、飯田線道路整備事業4億円など)▽道路維持管理費=6900万円▽除雪対策費=1億6600万円▽下水道事業特別会計繰り出し金=4億1600万円▽土地区画整理事業特別会計繰り出し金=4億5700万円▽公園維持管理費=3600万円▽河川公園整備費=500万円(ゴルフ場整備費450万円など)▽総合公園事業費=4億4000万円▽市民ゴルフ場管理委託費=4500万円(利用者見込み1万8000人)▽市営住宅維持管理費=1800万円▽住宅マスタープラン策定経費(新規)=680万円(黒瀬踏切アンダー化に伴うもの)
【消防費】▽大曲仙北広域市町村圏組合負担金=4億7800万円▽消防団報酬=940万円(団員の年報酬増額へ)▽消防施設・設備整備費=2400万円
【教育費】▽花館小学校校舎改築事業費=6億3700万円▽IT講習推進事業費(新規)1700万円▽小中学校へのコンピューター及びインターネット設備経費=3100万円▽小中学校・幼稚園維持補修費など=5800万円▽社会科副読本印刷費500万円▽総合的学習時間活動事業費=140万円▽生涯学習推進経費=580万円▽大曲市綱引き行事記録保存事業費=100万円(大曲の綱引きが県文化財の記録選択に指定)▽地区公民館管理費=3900万円▽心の教室整備事業費=140万円(市内3中学校で実施)▽教育相談事業費=77万円(いじめ、不登校への教育相談員の配置など)▽放課後児童対策事業費=240万円▽学校給食特別会計繰り出し金=2億1300万円▽学校給食センター建設基金積立金3000万円(平成12年度末現在高1億5000万円)▽奨学資金特別会計繰り出し金=240万円▽スキー場特別会計繰り出し金=1200万円▽松倉地区児童通学費(新規)=370万円(学校閉校に伴う通学対策費・対象児童16人)▽圏民体育館管理運営費=1400万円