みちのく3大桜の名所
プロの目から見た観光をディスカッション(2月15日・木)
東北の桜の名所として知られている角館町と青森県弘前市、岩手県北上市の3市町による「桜サミット」が14日、角館町の樺細工伝承館で開かれた。桜という共通の観光資源を持つ3市町は広域観光を目指して1998年に「みちのく3大桜名所連絡会議」を設立し、それぞれ協力しながら首都圏からの観光客の増加を図っている。桜サミットは今回で2回目。今回は「山と渓谷社」やJTB、近畿日本ツーリストなど旅行関係の出版及び企画のプロ4人を招いて「プロの目で見た広域観光」をテーマにパネルディスカッションした。岩手テレビ報道局の鈴木直志アナウンス部長がコーディネーターを努めた。
始めに伊藤彬北上市長が「3市町が連携して桜を売り込んだおかげで多くの観光客が訪れるようになった。1回目のサミットでは桜を愛し、桜を通じた観光をどう発展させていくかを話し合った。今回はプロの目から見た広域観光を考えたい」とあいさつ。
そしてパネルディスカッションに入り、高橋雄七角館町長が「武家屋敷通りの歩道の段差をなくし、フラットな通りとなったので今年の桜はユックリと観賞できると思う。また同じ通りにある町民体育館跡地に武家屋敷の小野崎家も復元させたので新しい趣を楽しめるようになった。桧木内川堤の桜も老木なため、その保存に力を入れており、そうした努力の跡も見てほしい」と語った。北上市の伊藤市長、それに弘前市の小山内信一商工観光部長も引き続いて桜に対する市の取り組みを報告したが、どちらも老木化した桜の保存と保護に力を入れている点や「景観を考えた電柱の地中化」(小山内部長)、「桜の名所である北上展勝地は開園80年。桜の樹齢も85年になる。どうやっていい花を咲かせてもらうか研究しているが、とにかく元気なうちに第2の桜並木をつくりたい」(伊藤市長)とそれぞれに老木対策に力を入れている点を強調していた。また3市町とも「桜が終わったらリンゴの花をピーアールするなど、いかに次の観光につなげるかを考えている」(小山内部長)などと通年観光がこれからの課題としていた。
パネラーとして出席したのは「山と渓谷社」の三堀裕雄、JTBの藤嶋良二、同・手塚博、近畿日本ツーリストの中岡昌代の4氏。それぞれに「冬の観光客を増やす方法としてはパンフレットに冬の光景を撮った写真を大いに使うべきだ」「リピーターを増やすには来てくれた人を大事にし、『行って良かった』と言わせるような口コミも大きい」「旅は100%満足させることはない。桜を見たくて訪ねても雨だったり、満開には早かったりすることも多い。そのガッカリ度をいかに低く抑えるか工夫も必要」「今は中高年の女性たちの間で写真がブームとなっている。桜観光の写真を募集するのも一つの方法」「その町の“らしさ”を失わないようにすべき。首都圏からの観光客は何気ないものに田舎らしさを求める。客から発想を求める工夫をしてほしい」と言ったアイディアや「旅の楽しみは食べることも一つ。秋田なら米どころとしておいしいご飯を期待して来るのに、イメージダウンさせる食事もある」と言った厳しい注文もあった。
高橋町長は「観光客が使ってくれたお金は12億円というデーターもある。観光は産業として大事にしたい」とし、「作家が多く生れた弘前市、文学館もある北上市と手を携えて文学をテーマとした観光素材の開発も考えたい」と意気込みを見せていた。