予選に62組がエントリー
新人らしい感性豊かな演奏、15人が予選通過(1月7日・日)
大曲市主催の「第13回大曲新人音楽祭コンクール」は7日幕を開け、市民会館と中央公民館を会場にピアノ、弦・管・打楽器、声楽の3部門ごとに予選が行われた。若手音楽家への登竜門として定着し、今回も全国から62組がエントリー。グランプリを目指して個性あふれる演奏を繰り広げた。
市民会館で行われたピアノ部門には28人が応募。聴衆はまばらだったが熱心な音楽ファンを前に出場者は豊かな感性と練習で培ってきたみずみずしい演奏を聴かせ、感動を与えていた。ラフマニノフのソナタ、ベートーヴェンのソナタ「情熱」第1楽章、ショパンの「舟歌」など身近な名曲の調べもあり、ピアノファンはベテラン陣の演奏とは一味違った新人のさわやかさに拍手でこたえていた。中央公民館では弦・管・打楽器の演奏が行われ、21組がバイオリンやフルート、オーボエ、トランペット、マリンバなどの楽器を手にピアノと競演、見事な演奏を聴かせた。ここでは中学校や高校などで音楽活動をしている人たちが演奏の参考にしたいと詰めかけ、静かに耳を傾けていた。同じ会場で弦・管・打楽器の演奏後、声楽の演奏が行われた。声楽には13人がエントリーした。プッチーニーの歌劇「トスカ」やロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」などから次々と名曲が紡ぎ出され、ファンは「ぜいたくな一日です」と席を温めていた。
出場者の多くは東北や首都圏からで、県内在住及び県出身者は14人だった。残念ながら地元・大曲市からの出場者はいなかった。半数近くが音楽大学で学んでいる学生で、学校教諭や公務員、高校生もいた。新人音楽祭は音楽専門誌などで募集を知って応募したものだという。
過去の入賞者の中には「イタリア声楽コンコルソ」金賞の田島達也さん(群馬県出身)をはじめ、海外コンクールの入賞者や国内外でのコンサートで活躍している人もいる。審査員は中澤桂さん(声楽家)、小出信也さん(フルーティスト)、弘中孝さん(ピアニスト)、井上将興さん(ヴァイオリニスト)、三宅幸夫さん(音楽学・音楽評論家)、四反田素幸さん(作曲家)の6人。
審査の結果、次の15人が予選を通過し、8日午後1時から市民会館を会場に優秀者演奏会(本選)が行われる。全員の演奏が終了した後、昨年のグランプリに輝いた声楽の黒木香保理さんの記念演奏が行われる。黒木さんは現在、ウイーンに在住。日本ワーグナー協会の20周年記念事業で主催した「第3回国際ワーグナー歌唱コンクール」のオーディションで派遣対象者に選ばれ、日本ワーグナー協会賞も受賞している。今年と来年、新国立劇場での「ラインの黄金」「ワルキューレ」に出演予定。
最終的な成績発表は午後5時半ごろの予定。グランプリは1人で賞金30万円、優秀賞2人には同10万円、奨励賞3人には同5万円が贈られる。
予選通過者
◇ピアノ部門=前田勝則、松尾有桂、新井啓泰、中井知子、松本亜樹、鷲谷美香、外川千帆
◇管・弦・打楽器部門=冨沢由美、坪井きらら、谷久美子、依田泰幸、布谷史人
◇声楽部門=竹ケ原順子、山中理沙、大坂央生