6枚の紙を折ってバラの花
折り紙の豊かな表現力に参加者はビックリ(1月12日・金)
大人のための折り紙教室が12日、大曲市の勤労者福祉施設「サンクエスト大曲」で開かれた。男性1人を含む22人の参加者は折り紙の底の深さに驚いたり歓声をあげて喜んでいた。講師を務めたのは秋田市の斎藤静夫聖園短大助教授(74)。斎藤さんは日本折り紙協会会員で、折り紙歴20年のベテラン。「昔は折り鶴など動物の模倣だったが、今は数学的な図形を研究し、幾何学的で創造の世界になってます」と折り紙の魅力と芸の底の深さを語った。斎藤さんは秋田市の竿燈やパレードで走る車、かまくら、折り紙歳時記などの作品で折り紙協会賞を受賞しているという。
サンクエストでは以前は親子で楽しむ折り紙教室を開いていたが、今回は「大人のための教室としたい」との斎藤さんの要望を受けて参加者を募集していた。6つのテーブルに思い思いに席を取った参加者たちは「折り紙は平安時代からあった。日本人は紙を折ったり、紐を結んだりの技術は天才的なものがある。その技術は江戸時代に確立した。折り紙は世界に例のない日本の文化だったが、今は世界中に広がって創作折り紙となった。今日はアメリカの人が考えたバラの花を作ってみたい」と語りかけ、二つの輪がチェーンのように結ばれた折り紙を見せた。参加者は2枚の紙を折って結び合わせたものだろうと、斎藤さんが持ち上げた折り紙に注目したが、それをひもといたら一枚の紙だっただけにみんな「エーッ」と手品を見せられたようにビックリしていた。
そして練習用の15センチ四方の色紙が渡され、谷折り、山折り、印折り、被せ折り、中割れ折りと言った様々な折り方を勉強。斎藤さんの指導を受けながら1枚の紙を折っていたらいつの間にかその紙は羽ばたく鳥に生まれ変わってみんな子どものようにはしゃいでいた。
「さあ。今度はバラの花づくりに入ります」と斎藤さん。渡された紙は和紙にラッカを塗り、切れにくく折りやすいように特別に作った折り紙用の紙。赤と緑の2種類の紙6枚が渡され、それを1枚1枚縦に4つ、横に4つに折って“方眼紙”のように16個の箱が出来るように折った。その線を基に様々に折り曲げ、6枚の紙を組み合わせて4角の箱を作ると言う作業だった。参加者は複雑な紙折りに“音”をあげながらも無心に折り方に挑戦。講師の斎藤さんは6つのテーブルを回っては「ここはこう折って下さい」とマンツーマンで指導。10時過ぎから始まった講座は正午になってやっと赤と緑の紙を組み合わせた四角な箱になった。
その赤い紙を引き出すとバラの真っ赤なバラの花びらとなった。そして緑の紙を引き出すと赤いバラを取り巻く緑の葉っぱになった。「うわー。きれい」。だれもが折り紙の持つ不思議な力に驚いたり、技術の底の深さにビックリするばかりだった。「きれいなバラができたでしょう。その花を家に帰ってご主人に見せて下さい。ご主人も喜ぶでしょう。そしてこう言うでしょう。『バラの花もきれいだけどお前の美しさには負けるよ』と」。斎藤さんのユーモアを交えた指導に2時間は温かく過ぎた。