参院選中盤へ

5候補のうち4候補が大曲仙北入り

勝利を目指して街頭から訴える候補者(7月19日・木)

 12日に公示された参院選も中盤に差しかかり、秋田県選挙区(定数1)から出馬した5人の候補者のうち4人が16日から18日にかけて大曲・仙北へ集中的になだれ込み、遊説に駆け回った。トップを切ったのは民主党の高松和夫候補で、16日と17日の2日間にわたって仙北郡内13町村を回り、17日夜には大曲市で個人演説会を開いて支持を訴えた。自民党現職の金田勝年候補も17日から19日の3日間の日程で仙北郡全町村と大曲市を遊説。分厚い支援体制での応援を得て、旋風のように駆けずり回った。自由連合の斉藤幸子候補は13日と16日に仙北郡入りを予定していたが、選挙カーのトラブルでキャンセル。18日午後に大曲駅前で街頭演説した後、選挙カーを走らせ、市民に支持を訴えた。社民党の佐々木長秀候補は13日に土井たか子党首を迎えて大曲駅前で街頭演説したのに続いて、17日と18日に仙北郡内を集中的に遊説。さらに18日夜には社民党のもう一つの顔として人気のある党政策審議会長の辻元清美氏を迎え、大曲市の「グランドパレス川端」で政談演説会を開いた。共産党の鈴木俊夫候補も19日夕方に西木村に入り、20日と21日に仙北郡と大曲市内を遊説する。

◇民主党・高松候補
 民主の高松候補山本町出身の高松候補は県南には馴染みが薄い。それでも県議2期の経験から積んだ人脈と組織的にはまだ脆弱ながらも、民主党の熱心な支持者が先導車を差し出して選挙カーを誘導、仙北郡内をくまなく回った。

 「改革に燃ゆる」が高松候補のキャッチフレーズ。ウグイス嬢は4月の知事選で圧倒的な勝利で再選した寺田知事への追い風を再びよみがえらそうと「寺田知事と一緒に歩んだ改革の高松です」と呼びかける。真っ白なTシャツにジーパン、スニーカーと言ったラフなスタイルの高松候補は「選挙は楽しくです」と意気軒昂。農村部を回ると田んぼで草刈り中の農家の人たちが手を振ったり、外へ出てくる人たちもいて「社民党にはこの県南でも絶対、負けません」と対抗意識をむき出しし、「大曲市でも横手市、湯沢市でも私の個人演説会が開ける。それだけの組織が出来上がった」と自信を深める。

 17日夜、大曲市のグランドパレス川端で開いた個人演説会。渡部英治市議が世話人役となって会場を設定。佐藤敬夫代議士(秋田1区)が渡部市議に「難儀かけます」とねぎらいの言葉をかけると「本当に、やせる思いです」と支持基盤の薄い中での戦いの辛さを正直に吐露した。佐藤代議士ら民主党の支援を受けて初当選した樽川隆県議(仙北郡選挙区)、それに民主党の2人の県議らが来賓として席に着き、同党支持労組の聴衆50人ほどが集まった。佐藤代議士は「小泉さんは人気はあってもあなたたちの暮らしはどうなるのか。小泉さんが求めようとしている痛みは単なる痛みではない。麻酔なしで手術しようとしているものだ」と不安をあおり、高松候補も「小泉さんが首相になってから株価は下がりっぱなし。小泉さんの経済政策に経済界は期待を持てないと判断したからだ」と小泉内閣の聖域なき構造改革を批判。

◇自民党・金田候補
 自民の金田候補17日、横手市から仙南村へと入った金田候補は夏の日差しを受けながらも、明るいブルー系のスーツ姿を着こなし、上着の袖とワイシャツを肘まで巻くし挙げての精悍な姿。先導車、選挙カーに続いて御法川英文代議士、斉藤滋宣参院議員、それに仙北郡選挙区選出の自民党県議団らを乗せた後続車が5台から6台も続く。そして行く先々で町村長の出迎えを受け、首長自らが選挙カーに乗り込むと言った分厚い布陣。車の列はまるで竜巻のような旋風を巻き起こして分刻みの日程で走る。

 「金田、かねだ勝年、あいさつにまいりました」。スピーカーから流れるウグイス嬢の声に同村の後三年駅前商店街ではぞろぞろと人が出迎え、車の流れもストップ。小泉人気によって自民党株が一気に跳ね上がったような空気だ。手を振って、張りつめた眼差しで応える金田候補。仙南村役場前では「新しい時代にふさわしい改革を小泉さんと共にやらせて下さい。明治維新、戦後改革に続く3つ目の改革を、小泉内閣はやろうとしている。改革しながらも私は農業と農村、商工業、そして医療、福祉、介護、年金など守るべきものはきちっと守り元気な日本を、このふるさと秋田から作りたい」と熱い口調で訴えた。

 六郷町では元文部大臣で自民党国対委員長の大島理森代議士(青森県)と合流。役場前に集まった町民や役場職員を前に大島代議士は「金田さんは大蔵省出身。参院に当選してからの6年間は農政に一生懸命に取り組んできた。小泉さんのやろうとしている改革に秋田の声を伝えられるのは金田さんだけだ」とエールを送った。

 選挙カーの男性スタッフは「本当に今度の選挙戦は小泉様さまです」とニンマリ。一方でその人気が上滑りに終わっては大変だとばかりに陣営は「知事選の結果を見ても分かるように人が出てくれたからと言っても決して油断はできない。選挙は開けて見ないと分からない」と気を引き締める。

◇自由連合・斉藤候補
 自由連合の斉藤候補18日午後3時過ぎに初めて大曲市に入った自由連合の斉藤幸子候補は駅前周辺で選挙カーを繰り返して走らせ「間もなく駅前で斉藤候補が街頭からあいさつをさせてもらいます」と市民に呼びかけた。しかし、思ったよりも人は集まらない。それでも午後4時には秋田銀行駅前支店の真向かいに車を停め、マイクを握った。男性スタッフは「斉藤候補は今度の参院選では唯一の女性候補。政治のプロではないが、志だけはどの候補にも負けてない」と訴えた。

 その男性スタッフは「手応えは信じられないほど。ただ比較する材料がないだけにどのくらい票に結びつくのかが分からない」と話す。斉藤候補は出陣式の前夜、左目のまぶたの上を虫に刺されたとかで眼帯を掛けたまま。「大曲は素敵な街ですね」と片方の瞳を輝かせ「今度の選挙戦、秋田のためにやってると思うとやりがいがあります」と笑顔をこぼした。

 マイクを握った斉藤候補は持論の「秋田美人を世界一の美人として世界に発信したい」として「秋田を美の国として美容協会がメイクを教え、世界中から若者が秋田に勉強に集まってくるようにし、秋田を活気づけたい」と訴えた。さらに厚生労働省が管理している化粧品、食品、医薬品などの日用品の安全基準に「とても疑問を感じてる。化粧品によって肌を荒らし、悩んでいる女性がたくさんいる。日本人の白い肌を守るためにも安全基準を見直し、美容と健康を大切にする社会を築きます」と熱心に叫んだ。

 信号待ちのため停まった車の中からドライバーの興味深そうな目が斉藤候補に注がれ、オートバイに乗った少年2人が「アッ。斉藤だ」と振り向き、嬉しそうにクラクションを「ピーピー」。自由連合の旗を手にした2人の女性スタッフは行き交う車や通行人に懸命に手を振って応援を求めた。斉藤候補は「また来ます」と笑顔。「これから横手市、十文字町へと遊説する」とスタッフ。「斉藤さちこ、斉藤さちこがあいさつにまいりました」とウグイス嬢と候補者がそれぞれ交互に名前を連呼して浸透を図った。

◇社民党・佐々木候補
 社民の佐々木候補社民党の佐々木長秀候補は17日は西木村、田沢湖町、角館町を中心に、18日は協和町から西仙北町、南外村、神岡町、大曲市などを駆け回った。仙北郡内では唯一の地元候補として日増しに追い上げムードが高まっているようだ。出迎える支持者に選挙カーは予定時間をオーバーするほど。運動員の一人は「党派に関係ない歓迎ムード。社民党の名前を口にしないほうがいいくらい」とニンマリ。18日夕、大曲市入りした佐々木候補は真っ黒に日焼けした顔で「やはり仙北は我が郷土です」と嬉しそうな笑顔。そして「今のところは単独2位」とVサインを示し「Vサインこそ勝利への道。地元の声援をバネに勝利に漕ぎ着きたい」と笑った。

 一方、グランドパレス川端で午後7時から開いた「社民党政談演説会」の会場は用意した400席のいすが次々と埋まり、改めていすを運ぶなどあわただしい空気。応援の弁士は比例区の谷本たかし候補と畠山健治郎前衆院議員、それに国会で「総理、総理、総理」と大阪訛りで小泉首相と激しくやり合った政審会長の辻元清美代議士。

 谷本候補は「小泉の改革は国民の福祉切り捨てだ」と対決姿勢を示せば、辻元代議士は沖縄の米兵による女性暴行事件を引き合いに「小泉さんは『アメリカとギスギスした関係にならないよう対応してくれ』とアメリカの機嫌をうかがうばかり。被害女性の痛みを知らない小泉さんが、国民には痛みを我慢してくれと言える資格がありますか」と疑問を投げかけた。そして「国民に痛みを求めるなら、まず自民党が企業からの献金を求めるのを止めるべきだ」と訴え、佐々木候補は「そうした改革をやれる人だ」支援を求めた。

 最後に登壇した佐々木候補は「小泉さんの聖域なき構造改革は国民に痛みを押しつけ、大企業には利益を補償する政治だ」と厳しい口調。郵政事業の民営化論も「過疎に拍車をかけるだけ。到底、看過できない」と反論。「寺田知事は徹底した情報公開で秋田を変えた。企業・団体からの政治献金も一切、禁止した。こうした秋田の政治を国の政治にも生かしたい」と支持を求めて拍手喝采を浴びていた。