高校生のための就職ガイダンス

ハローワーク大曲が県内初の試み

厳しい就職戦線の打開策へと高校生、企業が面談(7月24日・火)

 企業の説明を受ける高校生たち来春卒業予定の高校生のための「地元就職情報交換会並びにエンタープライズガイダンス」が24日、大曲市のグランドパレス川端で開かれた。ハローワーク大曲と大曲雇用開発協会の主催で、就職を希望する高校生とそれを指導する先生たち、そして受け入れ側の企業と個別面談方式で情報を交換し、高校生の就職の際の選択の参考にしてもらいたいと県内ハローワークの中で初めて企画した。高校生の場合、せっかく就職しても人間関係や仕事に対する忍耐力の不足、職業意識の希薄さから、早期に職場を放棄する傾向も強いことから、出来るだけ企業から生の情報を聞いて就職先を選んでもらおうとの願いも込めた。

 エンタープライズは企業の意味。ガイダンスは案内。高校生たちのハートをつかもうとカタカナ用語を使っての情報交換会とした。高校側からは市内と郡内の分校、定時制も含め11校約270人の生徒が参加した。企業側には従業員30人以上で、過去5年以内に新規採用の実績のある大曲・仙北の594社に案内を出したが、参加したのは19社だけだった。

 ハローワーク大曲では、これまでの就職の受け皿の中心となっていた弱電関係の企業が長引く不況と本社からの受注減、それに労賃の安い海外へとシフトを移す傾向が見られるため、高校生の新規就職はこれまでにない厳しい状況と言う。02年3月卒業予定の高校生に対する求人は7月10日現在で前年度に比べ32.9%もの減少となっている。「この数字がそのまま推移するとは思ってないが、とにかくどの企業も先行き不透明でまだ新規採用をどうするか二の足を踏んでいるようだ」と石垣章ハローワーク大曲所長は話す。

 ガイダンスは午後2時から始まり、最初は高校の進路指導担当の先生たちが参加した19企業を回って、生徒の受け入れの依頼や採用条件などを聞いた。その間、高校生たちは別室で職業講話。講師を努めたのは大曲市角間川町に本社工場を持ち、200人の従業員で高級紳士服を中心に製造・販売している「大同衣料株式会社」の佐々木繁治社長。佐々木氏は「地元企業の現状と就職に対する心構え」と題して40分の講話をした。「学校はだめな者でも引っ張って教育する場だったが、企業は違う。常に競争社会であり、だめな者は切り捨てられる」とけじめを求められる厳しさを訴え、「心身共に健康かどうか。そして人と協調性のある子、意欲のある生徒、我慢強さを企業は求める」などと強調し、面接の際の注意事項などを話していた。ハローワークでも生徒たちに「服装をきちんと。ワイシャツもズボンの中に入れる。履物はつぶしてはかない。企業の担当者にはあいさつをきちんとする」などこれまでにない細かな注意事項を示していた。

 個別の面談が始まると生徒たちはハローワークから各高校に提出された求人票を参考に参加した企業を思い思いに回って面談。企業側は会社案内のパンフレットなどを見せながら、仕事の内容や賃金などを丁寧に説明していた。人気のある会社には50人から70人もの生徒が集中するところもあった。参加した男子生徒は「土木関係の仕事をしたかったが、希望の企業が来ていて、話を聞けたので良かった」と喜び、女子生徒も「給料よりも自分に合った仕事を選びたいので、いい機会だった」と話していた。先生たちは生徒たちの面談の様子を心配そうに見つめながら、「みんないい子だけに何とかいい就職先を見つけてやりたい」と気を揉んでいた。

 就職活動は高校生だけでなく、一般にとっても過去に例のないほど追い詰められているとハローワーク大曲。企業の倒産や事業の縮小などで大量の離職者が出ているためで、6月末現在でハローワーク大曲を通じて仕事を求めている人は3298人。これに対して求人数は1215人と半分にも満たない。有効求人倍率は0.38倍で、10人の求職者に対して4人弱しか就職できないという状態。高校生の就職活動は9月17日から企業の選考も解禁になり、本格的な就職戦線が始まるが、ハローワーク大曲では一般の離職者も含めての職場紹介の厳しい戦いが続く。