明石市の事故を教訓に警備の見直しへ
緊急対策会議=堤防上での座り込み見学は禁止へ(7月25日・水)
兵庫県明石市で起きた花火見物客が将棋倒しとなって多数の死傷者が出た事故を受け、大曲市の「第75回全国花火競技大会」実行委員会(委員長・石川勝三大曲商工会議所会頭)は25日午後2時から商工会議所で「緊急対策会議」を開いた。明石市では将棋倒しによって10人が死亡、114人が重軽傷を負うと言う大惨事となった。このため見物客の事故防止のため万全を期すべきだ、と大曲警察署の要請を受けて緊急会議を開いたもので、河合格同署長、高橋秀作県警本部地域課長、それにJR大曲駅長、警備を担当する広域消防本部、交通警備担当の大曲市の総務部長、産業環境部長、それに商工会議所の花火競技大会実行副委員長ら20人が出席した。
大曲の花火は同会議所と大曲市、市観光物産協会の主催で来月25日に行われる。会議では高柳恭侑実行副委員長が「明石市で大変な花火の事故が起きてしまった。大曲の花火大会では危機感を持って安全な大会となるよう対策を講じたい。長い歴史のある大曲の花火ではこれまで花火の安全性に力を入れてきたが、92年に大曲市で開かれた国際花火デザインフェアから急速に脚光を浴び、それまでは花火の打ち上げそのものが主力だったものが、観客の整理と警備に力を入れなければならなくなった。大会を運営する者としては皆さんからの意見を聞き、事故のない立派な大会になるよう気を引き締めたい」とあいさつ。続いて河合大曲署長が「大曲の花火を楽しむために来てくれる方々の安全を何よりも優先しなければならない。警察としても警備態勢を今まで以上に強化し、観客の安全に全力を尽くすが、関係機関との連絡も密にし、お互いの連携を高め、警備の問題で見直すべき点は見直したい」と協力を求めた。
この後は会議は非公開で進められたが、終了後に記者会見した高柳副委員長らは警察から示された要望事項として▽大曲橋(通称・金谷橋)上での観覧禁止を徹底させ、人を立ち止まらせないよう流れをスムーズにさせる▽堤防上の通行確保のため、堤防上に座り込んだままの見学の禁止▽姫神橋上での立ち止まっての見学の禁止などのほか、観客を誘導する大型看板の設置や照明の増設、放送の見直しなどが出されたという。また交通と警備計画書もこれまで以上に具体的なものを大会前に警察に届けるよう要請もあったと話す。さらに桟敷席の観客をそのまま堤防に向かわせるのではなく、河川敷を歩いてもらい大曲橋下から堤防に上がらせるなど観客の分散方法を取るよう提案もあった。
大曲の花火は年ごとに観客が膨張する一方で、昨年は過去最多の62万人もの観客を記録した。その多くが雄物川に架かる大曲橋と姫神橋間の右岸約1800メートルの河川敷と堤防に集中。桟敷席を埋めた観客と一般客で会場は立錐の余地もないほどの混雑となっている。その大群衆が花火終了と同時に一気に帰り出すと、堤防の階段やスロープは身動きさえ取れない状態となり「今まで事故が起きなかったのが不思議なくらい」と言われるほどだった。
しかし、今回の警察からの要請で堤防上に座り込んで見学する観客を果たして整理可能なのか。大会1カ月も前から会場周辺にビニールテープを張って、陣取りや場所取り合戦も行われる大曲の花火。実行委員会では堤防上での将棋倒しの危険を避けるため、堤防の階段やスロープ付近の雑踏警備に重点を置き、今年は前年より20人増の190人(警察官を除く)態勢で臨むとしているが、相手の観客は数十万人にも上る。「具体的な警備の計画は来月2日に開く実行委員会までに内容を見つめ、警察に回答したい。いずれ絶対に事故のない大会としたい」と決意を述べた。