広域市町村圏組合更生園の職員へ
市民から「役所を私物化」と批判の声も(6月11日・月)
大曲市の特別職の長女が、この4月の人事異動で「無試験」で大曲仙北広域市町村圏組合が運営している知的障害者施設の正職員として採用されていることが明らかになった。市民の間から「真剣に採用試験に向けて努力している人たちはどうなるのか。市関連の職場に市の幹部職員の子どもが無試験で採用されているようでは公平で公正さを重んじる行政が信じられなくなる。役所の私物化だ」と抗議する投書が本紙に来ている。
取材の結果、長女は98年にまだ産経部長だったその特別職から「短大を卒業した娘を使ってもらえないか」と当時の広域事務局長が依頼を受けて臨時職員として採用。今年3月下旬になってから、その事務局長に正規の採用に向けての起案書が提出された。局長は「そんなことをしていいのかと上司である当時の副管理者(この春、任期途中で辞任)に伺いを立てたが、広域管理者である市長の承諾の印鑑が押されて戻ってきた」と話す。
広域では仙南村と大曲市角間川町の2つの知的障害者の施設「更生園」を運営しているが、ここ4年間で新人の採用はない。仮に職員採用の必要性があれば公募して試験採用していると事務局。
無試験で採用になったことは同事務局職員、市職員の間でも公然の秘密となっているようで、事務局職員も「経緯は分からないが、無試験で採用されたことに関しては私たちにも共同の責任がある」と顔を曇らせる。市職員の間でも「他の幹部職員も息子や娘を公的な施設で臨時職員として働かせているケースは見られる。肉親がかわいいのは分かるが、臨時とはいえ職員の子どもを採用することには疑問を感じる」と内部からも批判的な声も聞かれる。
この4月の異動で市建設部長から広域市町村圏組合の副管理者となった佐々木康雄氏は「(無試験で採用になっているということは)広域に来てから分かった。まずいとかまずくないとか私が判断すべきものではないし、コメントは差し控えたい。事実として受け止めるだけだ」と話す。
市総務課によると市職員の採用試験では毎回、若干名の採用に対して100人前後の応募が来ると言う。いわば10倍前後の高い競争率で、ペーパーテストから面接、作文と厳しい1次、2次試験をくぐり抜けて採用される狭き門だ。更生園も職員の身分は地方公務員。採用にあたっては公平を重んじるべき地方公務員を特別職の情実だけで決められていたのでは「真剣に採用試験に努力している人はどうなるのか」と疑問を示す市民の怒りと不信を買うことになりそうだ。
特別職は本紙の取材に対して「短大時代から保育園や知的障害者の施設で実習をやり、将来はそのような福祉の現場で働きたいと言っていた。更生園の臨時職員として採用になったのは自分でなりたいからと直接、行って頼んだものだった。親としても後で広域にお願いはした。正規の職員にしてくれと頼んだ覚えはない。知的障害者のために真面目に接して介護したのが評価されたのではないか。自分としてはだれそれの子だからあすこに就職してはいけないとかそいう考えはない」と答える。