玉川橋景観検討委員会

橋のデザインはシンプルな「桁橋」に決定

国道13号4車線化で現橋に新しい橋を増設(3月2日・金)

 玉川橋景観検討委員会国道13号大曲バイパスの4車線化事業に伴う「玉川橋」の橋の増設に向けて国土交通省湯沢工事事務所では1日、大曲市のエンパイヤホテルで2回目の「玉川橋景観検討委員会」を開いて現橋に平行して上流部に建設する新しい橋のデザインなどを話し合った。1回目の検討委員会では「桁橋」案と「アーチ橋」、ケーブルで橋桁を吊る形の「斜張橋」の3案が示されたが、玉川鉄橋を走る「秋田新幹線」の車窓から眺めた神宮寺嶽や伊豆山など西山の景観を大事にすべきだとして、最もシンプルなデザインの「桁橋」を推奨することになった。委員会は東京大学工学部土木工学科の篠原修教授を委員長に高橋司大曲市長、今野正彬神岡町長、それに同市在住の郷土史家・池田光氏、写真家・大野源二郎氏、東北地方建設局の水上忠夫道路調査官、折敷秀雄湯沢工事事務所長、先端建設技術センター研究第3部の松田哲夫部長で構成されている。

 第1回目の検討委員会は昨年12月13日に開かれた。2回目の検討委員会ではさらに橋床を支える橋梁本体のデザインについても審議。事務局からは平らな板金である2枚の鈑(はん)で橋床を受ける形の構造と箱型の橋梁にストラット(棒)を交互に三角形に配置して橋床を支える二つの案が示された。最終的にストラット付箱桁橋がベターとされたが、維持管理費の問題もあり、もう少し煮詰めることになった。また歩道に取り付ける防風柵、橋梁の色彩なども検討。濃い赤、黄色、青空色、暗い緑、黒など7色が示され、夏の緑の多い時期、雪の季節に見た印象などから検討した結果、暗い緑(アイビーグリーン)がイメージとして合うとなったが、もう少し淡い色のカラーにすべきとの声もでた。さらに延長700メートルと県内最大の長さの橋であることから、歩行者に変化を持たせる意味からも橋の真ん中にバルコニーを設ける案もあったが、歩道は東側に設けられ、西山の眺望が楽しめる西側は防風柵で冬は視界がさえぎられることからメリットはないとして持ち越しになった。最終的な橋のデザインは今後、事務局が検討して決める。

 現在の玉川橋は1972年に供用が開始された。国道13号大曲バイパスの4車線化の計画に伴い、現橋の上流部に新しい2車線の橋を並べるように建設することになったもので、国土交通省としては「予算次第だが、平成19年度の『秋田国体』までの完成を意識した工事としたい」と話す。大曲バイパスの1日の車の通行量は約2万6000台。2車線では限界の交通量だという。

 国土交通省では玉川と雄物川が合流する周辺の風景は姫神山、伊豆山、神宮寺嶽を含む山々が地域の景観的シンボルとなっているとし、「人びとの心に残る『原風景』である自然環境を主とし、添景として調和する橋梁景観を実現したい」としていた。1回目の検討委員会では▽冬季の防風対策、凍結対策により事故のない安全な橋にしてほしい▽橋を使う人、渡る人が楽しい空間としてほしい▽安全対策として照明を多く設置してほしいなどの意見が出されていた。

 こうした意見を採り入れ、歩道は滑りにく舗装材を使用、また橋の入口に建つ親柱も姫神山、伊豆山、神宮寺嶽をモチーフにしたデザインや花館の「川を渡るぼんでん」をモチーフにしたデザインを考えていると言う。さらに木製の手すり、照明も歩道部と車道部は別々に設置し、歩く人の安全性の確保なども配慮したいとしている。また防風柵も冬季以外は視界に開放性を持たせたいとし、固定式ではなく収納式も検討すると言う。

 新幹線から眺めたイメージから桁橋とした新しい橋が完成すると現在、歩道橋として使われている旧玉川橋は撤去されることになる。玉川橋は1881年(明治14年)、明治天皇の東北巡行に合わせ、大渡し船場と小渡し船場に2つの異なる橋が1880年に初めて造られたのが始まり。その後、洪水で橋は流失し、1889年に日本一長い木橋として架け替えられた。そして1932年に今の旧橋が架けられ、72年の国道13号旧バイパス開通と同時に現橋が建設された。