若手花火作家が独創的な美の競演
金賞は本県の北日本花火興業の乱に(3月25日・日)
ドーンー、バリバリッ?と響く光りの炸裂音、漆黒の夜空を染める青、赤、ゴールド、光り輝く火の競演。それは「音と光りと水のまち大曲」ならではの花火の華麗なショーだった。全国若手花火作家が夜空のキャンバスで、音と光りの技を競う「新作花コレクション2001 記念大会」は24日午後6時半から大曲市のファミリースキー場を会場に催された。主催は大曲花火倶楽部(賢木新悦会長)。大会本部によると昨年より4000人多い、2万4000人もの観衆を集めての“音と光り”一大ページェントとなった。
真っ青な空?。温かい風?。新作花火コレクションが幕を開けて10回目。「これほどの天候のベストコンディションに恵まれたのは初めてだった」と実行委員会のメンバーは顔をほころばす。青空が広がり、日中は冬のコートが暑くて着れないほど。お昼過ぎから次々と見物客が会場に車で駆けつけ、まるで夏の大曲の花火競技大会をミニ化したようなムード。スキー場駐車場、その近くの県立農科学館の駐車所は車であふれ、路上駐車になるほど。車のナンバーを見ると遠くは四国・徳島、近くでは宮城、岩手、福島などがあふれた。県外からの観光バスでの一行もあった。この日、日直を努めた市職員は「朝から花火への問い合わせの電話で鳴りっぱなしだった」と疲れ切った様子だった。
大会そのものはスポンサーとなってくれた会社、お店を優先的に招き、特等席で花火を観てもらうと言った趣向。昨年は吹雪におびやかされたが、「どんなに寒くても大曲の花火なら一見の価値がある」と遠くから駆けつけた人たちはお昼ごろから会場近くで夕食の準備をしながら、大会が始まると優雅なバーベキューの宴を開いての花火見学だった。
新作花火コレクションは今回で10回目。記念大会とあって、過去10年回で入賞した若手花火師9人によるグランドチャンピオン戦も展開された。招かれた花火師は県内5業者、そして遠くは九州までの23人。使用する花火は4号玉(4寸)10発、5号玉(5寸)5発の合計15発。この15発の組み合わせで一つのテーマを構成し、それをいかに表現するかを競うのが新作花火コレクションのテーマ。4号玉、5号玉は全国的に最も多量に打ち上げられる鑑賞用花火の大きさであり、世界的にも最も優秀とされている日本の花火の技術の凝縮とも言われている。参加した若手花火師たちは若いからこそ臨めるアイディア、挑戦的な斬新な色、形に取り組み、自ら上げる花火の個性を自らの口で説明しながら点火していた。
審査員には社団法人日本煙火協会顧問の村井一氏をはじめ、特別審査員としてポップアーティストの日比野克彦氏、さらに西木村出身で直木賞作家の西木正明さんらが努めた。ドーン、バリバリッ。夜空を裂く破裂音、華麗な光りの躍動に会場を埋めた観衆はそのつど「ヒョー。ウワー」と声にもならない歓声を挙げて夜空を寒さも忘れて見上げていた。
審査結果、次の作家が入賞した。
◇金賞=今野義和(秋田県「北日本花火興業」)、玉名=乱
◇銀賞=池谷光晴(静岡県「イケブン」)、玉名=水色の雨
◇銅賞=久米川和行(秋田県「仙北火工」)、新山良洋(秋田県「大曲火工新山煙火店)、青木昭夫(長野県「紅屋青木煙火店)