南外村で酒遊サミット

搾りたての酒と料理を楽しむ

出羽鶴の酒蔵見学や楢岡焼きの体験も(3月26日・月)

 楢岡焼きで焼き物に挑戦酒蔵を活用しての地域興し活動をしている南外村の「大曲仙北自然酒の会」主催の「第3回酒遊サミットinなんがい」が25日、同村コミュニティーセンタを主会場に開かれた。低農薬による有機栽培された酒米と貝の化石層からわき出る水を素材に会員制の限定酒「楢岡城」を楽しみながら、自然と語らい、人と語らい、酒と語ろうと企画したサミット。県内外から180人ものファンが集まり、盛況なお酒の会となった。

 参加者は大曲駅前からバスで2コースに分かれた。一つは楢岡焼き体験コースと村の造り酒屋「出羽鶴」の酒蔵見学。もう一つは酒蔵見学と自然散策の旅、そして楢岡焼きの窯場見学。楢岡焼き体験コースの参加者たちは焼き上がったばかりの陶器が窯から出される珍しい窯出し作業を見学した後、職人さんの指導を受けて土を練り、ぐい飲み作りに挑戦した。みんな童心に返ってろくろを回しながら、思い思いの形を練り上げ、一カ月後の焼き上がりを楽しみにしていた。

 出羽鶴酒造では搾りたての「楢岡城」を試飲。社を挙げての歓迎と酒造り工程の説明に満足そうな表情だった。主会場のコミュニティーセンターで焼きおにぎりと味噌汁でお昼を済まし、昨年旗揚げした山内村の劇団「かんじき」による演劇を楽しんだ。劇はロシアの喜劇を基にアレンジした「結婚の申し込み」。秋田なまりを交え、嫁にほしいと訪れた男と地主、その娘とのドタバタしたやりとりに会場は大笑いに包まれた。さらにこの日のために自然酒の会が募集した「お酒にまつわるエピソードコンクール」も発表され、劇団がその最優秀作品を基に寸劇を披露。内容は18歳の少年と17歳の少女が結婚しようと東京へ駆け落ちしたが、財布を落としてしまい無一文に。迎えに来た少女の父親が上野駅の食堂で無言のまま少年に「ワンカップ」を差し出す。親の心の温もりを描いた寸劇に涙と笑いがこぼれた。夫となった18歳の少年も今は45歳。大曲市の今野昭一さんの代理として出席した妻の広子さんに自然酒の会の会長でもある田口宏暢村長が表彰状と記念品を手渡した。

 田口村長は「お酒にまつわるエピソードを募集した結果、90点近い応募があった。酒にまつわる思い出はだれにもある。思い出すと穴に入りたくなるような恥ずかしい思い出もあれば、楽しい思い出もあるだろう。酒は嘘をつかない。飲めば必ず酔わせてくれる。酒とどう付き合うかが大切だ」と語りながら「村の宝は昔のままの自然が残っていることだ。足しげくこの村に通って楽しんでもらいたい」と歓迎。出羽鶴の伊藤辰郎社長も「今年の冬は寒さも厳しく、雪も多かった。皆さんには大変、ご難儀されたことと思うが、酒造りにとってはいい環境となり、いい酒が生れた。搾りたての酒を仲立ちに人と人との出会いを楽しんでほしい」と歓迎した。

 乾杯の音頭で始まった酒遊サミット会場に出来上がったばかりの「楢岡城」を中心に出羽鶴の様々なお酒が運ばれ、タイの姿盛りやかつおのたたきなどの魚、さらにわらび、ウド、ばっけ味噌、生しいたけなど村で取れた山菜料理を口にしながら楽しみの宴が幕を開けた。参加者の半数近くは女性で、「3000円の会費で劇を楽しみ、こんなに料理とお酒が振る舞われるなんて」と満足そうな笑顔を浮かべ、和気あいあいのムードで話が弾んでいた。

 自然酒の会事務局の村商工会によると「お酒にまつわるエピソードコンクール」には県外も含め最年少27歳から最高齢88歳まで86点の応募があったという。優秀賞受賞者は次の通り。

 高橋良子(中仙町)、伊藤秀(協和町)、山崎京子(仙北町)、高橋厚子(横手市)