知事選、選挙カーを追う

寺田候補は県南での戦いに全力

故郷・大曲市では歓迎の渦、湯沢市でも善戦(3月30日・金)

 マイクを握って政策を述べる寺田候補(湯沢市で)知事選で再選を目指す現職の寺田典城候補(60)は29日、秋田市で第一声を上げた後、秋田自動車道を使って午後2時半に出身地の大曲市入りした。栗林次美県議、小山誠治、藤井春男、高松昭一、渡部英治の4市議や寺田後援会の会員ら20人ほどが出迎えた。選挙カーには栗林県議が乗り込んで「寺田すけしろただいま故郷に帰りました。内小友のみなさーん。寺田があいさつにまいりました」とマイクのボリュームいっぱいに叫んだ。車は内小友から大川西根、蛭川へと走った。内小友の小松煙火店前、JA秋田おばこ内小友支所、そして実家の秋田振興前、大川西根公民館前などでは100人から200人、あるいは300人もの人が出迎え、寺田氏とその陣営を元気づけた。

 小松煙火店前で最初のマイクを握った寺田氏は「故郷の田んぼをみてやはり故郷はいいなーと思った。でも農業は今、大変だ。何とか夢の持てる農業を実現したい」と呼びかけた。故郷の人たちの顔を見て照れくさいのか「日本一、県民に役立つ県庁にします」と言った後は「地元に来て地元のことはしょしくて(恥ずかしくて)喋りにくい。ここは栗林さんにマイクを渡します」と人の波に紛れ込んだ。栗林県議は「懸案の金谷橋も寺田さんは3〜4年かけて立派な橋に架け替えします。県庁の不始末、不信を片づけた寺田さんはこれから明るく公平な県政、新しい秋田の県政を目指します」と声を振り絞った。どこでも熱烈な歓迎ぶりだった。

 車はさらに大曲駅前から商店街を流し、川目、藤木、角間川と走り、仙南村から地元横手市へと向かった。川目ではタカヤナギの社員たちがこぞって出迎え握手作戦が展開された。仙南村でも選挙カーの音に家々から人が飛び出し、予定外の所で何度もストップ。時には車から飛び出し「ありがとう」とお礼を述べる寺田氏。同行した栗林県議は「寺田さんには県庁の食糧費問題を片づけ、県政の信頼を取り戻すために一生懸命、頑張ってきたと言う評価と寺田知事らしいことをやろうとしても少数与党のため、自民党につぶされ、いじめられているとの同情の声、それに相手候補が親子で権力の座に就いていいのかという庶民の不安が3点セットとなって風が吹いている」と分析する。

 30日午前11時ごろ。寺田氏の選挙カーは湯沢市役所前で停まった。300人ほどの市民が列をなして迎えた。握手攻めに合う寺田氏。雄勝郡選挙区選出の安藤豊県議が「初めて県南から出た知事です。この4年間、あれほど頑張ってきた寺田さんをいま変える必要があるでしょうか」と聴衆に呼びかけると「そうだ!」と拍手と同調の声。「寺田さんは政党に頼らず市民の目、県民の目で県政を運営したいと言っている。長野、栃木、千葉でも政党に頼らない知事が誕生した。地方から日本を変える動きが主流になった。秋田もそれに続こう」と呼びかけた。

 マイクを握った寺田氏は「認定農家のため全国で初めての価格補償を実施したい」と夢の持てる農業政策を口にすると同時に「リストラで解雇された人や廃業に追い込まれそうな企業に対してもリハビリ的なシステムを構築したい」と訴えた。さらに「自民党推薦の候補が言う対話とプロセスを大事にすると言うのは長いものには巻かれろと言うことだ。一定の政党に与することは出来ない。親と子にこの秋田を任せていいのだろうか」と厳しい口調で演説を締めくくった。

 湯沢市のアーケード街では歩いて市民と握手作戦を展開。羽後町へと向かった。選挙戦への感想を求めると「4年前に比べ支持の層が幅広くなった気がする」と自信を深める。羽後町の農協スーパー前では50人ほどの婦人たちが出迎え「寺田さん。体に気をつけて頑張って」と盛んに応援。中学生の女の子たちも寄ってきて「キャー。寺田さんだー」と駆け寄った。県南での戦いで序盤戦での勢いをつけたい寺田候補。作戦は浸透しているように思えた。