東大和第一中生の修学旅行
山と田んぼだけの千畑町で「秋田に来て良かった」(5月22日・火)
秋田に来て良かった−。東京都東大和市の東大和第一中学校3年生175人が21日から2泊3日の日程で田沢湖町のわらび座に宿泊、22日には仙北郡内の農家を訪れて農業体験を楽しんでいる。千畑町、仙南村、西仙北町、協和町の4町に分かれて受け入れ先の農家の人たちと共に田植えや苗箱洗い、リンゴの摘花、減反の田んぼで枝豆植えなどの作業を手伝っているもの。
千畑町では午前8時40分から町ふれあいセンターで藤嶋長右エ門町長らが35人の生徒を迎え「農業体験交流」の開講式を行った。藤嶋町長は「農業は今、外国からいろいろな農産物が入ってきてとても大変だが、農家の人たちは安全でおいしいお米を食べてもらいたいと一生懸命米作りに励んでいる。今日の体験が農業への関心となり、また来たいと思ったらいつでもこの町に来て欲しい」と歓迎していた。35人の生徒は7軒の農家の人たちに迎え入れられてそれぞれの家へと分散した。
同行してきた蔵本保広先生は「これまでの修学旅行は奈良や京都の旅が多かった。3年前はわらび座で踊りの体験を楽しんだが、農家の人たちとの触れ合いもいいらしいと聞いて子供たちに提案した。反対の声もあったが夕べの踊り体験もみんな楽しんでくれたし、これからの農業体験も楽しみにしているようだ」と生徒たちを見つめた。生徒たちは秋田に来る前に訪問先の農家へグループごとに顔写真を入れた手紙を送って自己紹介していたという。
受け入れの農家の人たちもこの日を楽しみにしていたようだ。みんなニコニコしながら生徒たちを車に乗せ、自宅へと向かい家族を紹介。そして田植えや枝豆植えなどの軽作業の手伝いとなった。都会の子たちは農家の大きな家に入るのも、軽トラックに乗って田んぼのあぜ道を走るのも、長靴を履いて泥んこの水田に入るのもみんな新鮮な体験のようで「キャッキャッ」と歓声。農家の人たちも言葉が通じるようにと出来るだけ標準語を使おうと気をつかうが、苦手なお年寄りは「ここに座ってまあ、休め」と言おうとして「まずねまれ」と秋田弁。キョトンとする都会の子たちに若い嫁さんは「ばあちゃん。それだば通じね。座って休めって言わねば」とやりとりしながら大笑い。
男子生徒は秋田の印象を「信号機がないし、田んぼと山だらけに驚いた」と言い、「クラスで農業体験に反対の声はなかったの」と聞くと「あったけど、今は来て良かったと思う」と素直だった。カエルの声、水の流れる音、そして田んぼに響きわたる田植機械の音にも耳を澄ましていた。中には田植機械に子供たちを交互に乗せて体験をさせる農家も。実際に田んぼに入って田植えする中学生もドロに足を取られ悲鳴を挙げていたが、どの子もいやな顔は一つもせず嬉々として農業体験を楽しんでいた。農家の人たちとの交流は夕方まで続けられ、家族と一緒にバーベキューを食べてわらび座の宿に帰る予定だ。