1年生全員で田植え実習
水ぬるむ田、あちこちから歓声も(5月28日・月)
県立大曲農業高校(伊藤甫校長)では28日午後1時から同校大嶋農場で1年生全員による「田植え実習」を行った。「コメ作りの原点は田植えであり、機械化された中でも昔ながらの手植え作業と言う文化を体験してもらいたい」と同校。ズボンをすねまでまくしあげ、裸足で田んぼに入った生徒たちは「ワーッ、キャー」と歓声や悲鳴をあげながら田植えに親しんだ。
1年生は220人。この春から農業科学科、生物工学科、生活科学科の3学科でそれぞれ農業に関する基礎を学んでいる。大会など学校行事もあって、田植えに参加したのは200人ほどの生徒だった。実習田として用意されたのは40アールの田んぼ。苗は「あきたこまち」。
先生たちから植え方の注意を受けた後、靴を脱いだ生徒たちはクラスごとに田んぼに散って一斉の田植えとなった。水ぬるむ季節で、泥んこの田んぼの中の水はぬるま湯のような温かさ。ALT(英語指導助手)として教鞭に立っているアメリカ人のダーヌ・ミールセンさん(24)も生徒たちと一緒に田植えに入った。
機械植えはとうに終わったが、手植えだと苗が10数センチに伸びるのを待っての植え方になるだけにいつも5月下旬から6月初めになるという。機械化が進んでからは田植え実習も機械を使っての作業に切り換えた事もあったが、手で植える昔ながらの作業を体験するのも農業高校ならではの文化の保存になるし、教育にもなると再現した。
水が張られた水田にはアメンボウやクモ、ミズスマシ、オタマジャクシなど小さな虫たちもうようよ。大勢の生徒たちの足と手が一斉に入ってきたため、虫たちも驚いてチョロチョロと滑るように水面を走る。その虫を見ては「キャーッ」と悲鳴をあげる女子生徒。「ウオー」と太い声で叫ぶ男子生徒。一緒に田んぼに入った女の先生たちは「昔はみんなこうやって田んぼに一列に並んで植えたものだった」と懐かしみ、「それにしても腰が痛い」と年齢を嘆く声も聞かれた。先生たちと生徒たちの温かい交流が生れた田植え実習だった。秋に収穫されるとコメはJA秋田おばこを経由して首都圏で大曲農業高校の名前入りで「教育実習田の米」として販売される。消費者からは「頑張って下さい」とのお礼の手紙も来るなど好評だと言う。