制作者の努力が伝わってくる
担当の大河さん「楽しいページを目指したかった」(5月29日・火)
仙北町役場のホームページが「良くできている」と評判だ。「スピーディーに画面が現れ、優しく出来ている」「見てもらおうとする制作者の努力が伝わってくる」などと本紙の「読者の広場」にも同町のホームページのことが書かれ、「担当職員を取材して、紹介してほしい」との要請さえあった。29日、町役場を訪ね、ホームページ編集を担当している企画課主事補の大河善晴さん(25)にあれこれと聞いてみた。
その前に同町のホームページを語ってみたい。まず、ページの顔となる表紙は「お知らせ」「ニュース」「広報」「知る」「歩く」「食べる」「払田柵」「管江真澄」「歴史」「柵の湯」「施設」「祭り」「キッズ」「パンフ」「作品」「掲示板」「クイズ」「リンク」からなっている。これらのメニュー文字がアクセスすると同時に画面から飛び出してくるような躍動感で現れる。そして表紙を飾る写真はアクセスしたり更新する都度、7種類の絵柄に変わるといった隠れた工夫もこなしている。それだけではない。マウスの操作によって動く矢印、いわばページの案内役をかっているのは国指定史跡「払田柵」の町らしいイメージの平安時代の烏帽子をかぶった可愛らしい顔の漫画だ。
見せようと工夫を凝らしているだけでない。例えば「払田柵跡」の「探検してみよう」を開くと「払田柵総合案内所」「外柵南門」「大路」「外郭南門」「政庁跡」など史跡の重要な場所を実際に歩いたような疑似体験を楽しめる工夫もされている。それに町自慢の温泉施設「柵の湯」の紹介コーナーの「館内のご案内」では、宿泊室から浴場、宴会場、食堂などすべての施設が変化のある小技をフルに使って写真で紹介する。さらには「食べる」のコーナーの「懐かしい郷土料理」でも「いなごの佃煮」「栗の渋皮煮」などの料理を写真で見せ、その作り方までていねいに書いている。
評判なのは子供たちを対象にした「キッズコーナー」。ここでは「仙北町を楽しく学ぼう」をテーマに「町のこと」「農業のこと」「方言のこと」の3つのコーナーがあり、その一つひとつを質問に答える形で紹介している。特に農業のことでは同町が首都圏の小学校の教科書の教材になっているためか、首都圏の子供たちからのメールでの問い合わせが多かったため、田植えから稲になっていく様子をイラストや写真を使って説明するなど懇切丁寧な画面だ。
方言でも「赤ちゃん」は「ぼんぼこ」、「犬」は「えんこ」、「怒る」は「ごしゃぐ」と表現し「牛」は「べこ」、「川に落ちる」は「かっぱりとる」、「下さい」は「けれ」と郷土の言葉を丁寧に説明している。ユニークで親切さがいっぱい詰まったページだ。
ページ担当の大河さんは大館市の秋田職業能力開発短期大学校で情報処理を学んでから、故郷でもある同町の公務員試験をパスし、96年4月に役場入りした。短大でパソコンを習得したと言う経験が買われ、採用と同時に電算処理と広報のアシスタントになった。そしてホームページ作りも任された。「短大で学んだ授業ではまだホームページの講座がなかったため、ホームページ作りはマニュアルを読んでの独学でした」と大河さん。「市町村役場のホームページは固過ぎて面白くないという評判があったので、お役所的なイメージからの脱出を図り、楽しいホームページにしたかった」。これが大河さんの目指したホームページのコンセプトだった。
ほぼ1年かけてあれこれと模索しながら97年4月1日に最初のページが誕生した。さらに「面白く変化の富んだページにしたい」とHTML言語だけでなく、JAVA言語も採り入れ、昨年10月に今のページとなった。ファイル数にしたら1000を超すほどの情報量となっている。
月1回の広報発行、それに町の行事などを中心とした「お知らせ」の発行もあり、ホームページの実際の更新は月1回だけだが、町の施設や歴史、食べ物などは完成したものであり、それほど手をかける必要はない。「ただ固定した画面でも訪れてくれる人に新鮮な驚きを与えたい」とJAVA言語をフルに活用して画面が動くようにするなど変化を付けている。残念なのは一カ月のアクセス数はまだ50ヒット前後。町民がインターネットを利用しているのはまだ1%前後だから仕方ないかもしれない。大河さんは「ならば」と内容を同町出身で県内や首都圏で暮らしている人たちに楽しんでもらうようにしたと話す。それがページを楽しく、面白くさせたのかもしれない。とにかくどのページを開いても工夫とアイディアがこもっているのである。
大河さんは「ITの講習などでパソコンがもっと町民に普及し、利用者が増えたら、住民票の申請は役場に行って書かなくても自宅でプリントアウトして、持ってきてもらったらすぐに処理できるような活用も考えたい」と話す。とにかく仙北町のホームページはおもしろいし、工夫を凝らしている。同町のホームページは下記へ。