大曲地区保護司会
15歳の非行事例をテーマに研究会(11月12日・月)
秋田県保護司連合会の大曲地区保護司会(県南ブロック)主催のブロック別研究会がこのほど大曲市の広域交流センターで開かれ、中学3年生(15歳)の非行事例を巡ってどう対処すべきかなどを話し合った。研究会には県南3市3郡の保護司、大曲市と仙北郡内の更生保護婦人会、青少年育成大曲市民会議の会員ら110人が参加、活発な意見交換が行われた。
保護司会によると犯罪や非行、刑の執行猶予などで保護観察を受けた人は昨年1年間で全県で1109件あり、そのうち県南は129件と比較的少なかった。しかし、129件の中の73件が14歳から20歳までの犯罪や非行で保護観察処分になったもので、少年の非行が大幅に増えている実態が明らかにされた。県保護司会連合会の伊藤栄治副会長は「普通の子が非行に走る時代だ」と憂慮した。
分科会では大型デパートで買い物中の中学生に言いがかりをつけて暴行を加えた15歳の少年の非行事例をテーマに討論し合った。少年は中学に入った最初の中間テストの成績が悪かったことから、勉強に身が入らなくなり、1年の終わりごろから喫煙を覚え、2年生から3年生になっても欠席、夜遊び、無断外泊を繰り返すようになって、事件を起こした。少年の家庭は両親と妹の4人暮らし。父は会社員で43歳。仕事熱心で家族に対する思いも強いが、少年の問題行動には困惑している。母は事務員で40歳。少年が小学校6年に買い求めた自宅のローンに追われ、それぞれ家族への思いはあるが、交流は少なく、放任の傾向が強いとしている。非行には走ったが、高校への進学は望んでおり、両親もそれを希望していると言う。
討論では▽少年が非行に走った原因は何か▽少年の立ち直りのために何が大切か▽最近の少年たちの行動に変化があると思うか。良くなったと思われる点や問題点を考えたい▽この少年の非行事例を含め、少年の非行防止や立ち直りのため、地域社会の大人は何が出来るか−をテーマに話し合った。
その結果、非行に走った原因では▽学習成績の不振を別の形で和らげる何かが不足している▽本人が一番、悩んでいたが、どうすれば良いか分からなかった▽親は住宅ローンの返済のため働くだけで、子どもの生育にアドバイス出来なかったなどの意見が出た。
立ち直りのための意見交換では▽本人が進学を希望しているのなら、親はもっと真剣になって子どもの希望や考えを聞き、親として支えていく事を示すべきだ▽得意なスポーツを活かし、少年に自信を持たせるべきだ▽家庭の中で本人の存在を認める役割を与えるべきだなどの意見があった。
最近の少年たちに関する感想では▽言葉が良くなった▽意見を自由、活発に言えるようになったと良い点は認めるが、逆に▽忍耐力がなくなった▽命の軽視傾向が見られる▽恥を知らない▽自己中心的行動が目立つ▽あいさつが少なくなり、温かい人間交流の姿が見えない−など厳しい見方が多かった。
地域社会の大人の役割では▽学校、家庭との連携を密にし、社会の最小単位である家庭の在るべき姿を再構築する▽携帯電話の普及は利点もあるが、予想も付かない犯罪が隠れている。国を挙げてそのルールを確立すべきだ▽高学年になったら生き方や将来について専門家と直接話し合う機会を行政の中に組み込むべきだ▽子どもは環境によって左右される。大人の善意ある地域社会の構築と環境の浄化を急ぐべきだなどの意見が出された。