市当局と市政運営を討論
介護保険、将来の負担増が不安と中学生議員(11月14日・水)
大曲市立大曲南中学校(佐々木茂校長・生徒数157人)で13日、同校体育館で模擬議会「南生議会」を開いた。市からは市長、助役、収入役、教育長、それに総務、福祉保健、産業環境、建設交通の各部長が参加。市政運営をめぐっ、双方の真剣な討論が交わされた。子どもたちに議会への関心を高めてもらいたいと市教育委員会からの呼びかけに応じての開会で、今年1月には大曲西中学校でも開かれている。
議会は午後1時半から開会し、3年生の石川祐太君が議長となってステージに登壇。1年生から3年生24人が議員となって、高橋司市長ら市当局と向き合った。残りの生徒た
ちは傍聴人となって運営を見守った。模擬議会開会前に実際の議会運営を勉強しようと9月の定例議会には3年生48人が傍聴し、経験を積んでいる。
佐々木校長は開会前に「本校でこのような機会をつくっていただいたことに感謝を申し上げたい。傍聴する生徒たちは自分が参加しているつもりで耳を傾けてもらいたい」と呼びかけた。そして議長の石川君と議員になった24人の生徒が自己紹介。開会と同時に石川議長が「会期は今日1日限りとしたいと思います」と議会に諮り、会期を決定した。
招集のあいさつに立った高橋市長は生徒たちに「今日はみなさん方の話をゆっくり聞いて大曲の発展を考えたい」と述べ、「勉強とは何だろう」と10分ほど大学のことなどを講話した。
そして実際の議会運営通り「ただいまから一般質問を行います。順次、一般質問を許します」と始まった。途中、10分間の休憩を取りながら、3年生の議員6人が演壇に立って一般質問を行った。質問する内容は生徒たちみんなで話し合って決めたと言う。質問のトップを切ったのは大久保智子さん。「南生議会でトップバッターとして質問させていただくことを光栄に思っております」となめらかな口調で質問原稿を読み上げた。
6人の議員の質問は▽市町村合併について▽魅力ある街づくり▽市の予算について▽介護保険▽高齢者福祉▽全国花火競技大会▽ゴミの問題▽道路建設▽総合運動公園▽学校給食▽教育環境の拡充・整備?と多伎にわたった。市側の答弁を聞いて関連質問する中学生議員もいた。実際の議員たちも参考にしたいと6人が学校を訪れ、やり取りを見守った。 答弁は高橋市長と高野昭次助役、それに担当の各部長、笹元嘉辰教育長が行った。質問内容はとても高度で、生徒たちがこの日のため市政が抱えている様々な問題を研究し、市当局の考えを引き出そうと努力したのがうかがえた。
「大曲市は東洋経済研究所が全国671都市を対象に調査した『住みよさランキング』で3年連続1位に選ばれた。しかし、市民の中には住みよさ1位を実感できない人がいるようだ。そのギャップについてどう考えているか」と切り込む議員も。また、介護保険では「私たちが大人になって働いて、お年寄りを支えるのは当然のことだが、将来は負担がかなり大きくなりそうだ。その負担を軽減してくれるような施策をやってもらえないか」との質問もあった。
また学校給食について触れる議員もいた。「いつも給食を作って頂き、学校へ届けてくださってありがとう」と礼を言いながらも「大変、おいしい時もあるが、正直にいうとちょっとがっかりする時もある」と味に注文を付けた。さらに「米が余って困っている状態だけに米の消費拡大の観点から米飯中心の給食にしたらどうか」との提案や「中学生は食べ盛り。部活などある場合は現在の給食の量では放課後、お腹がすいてパワー不足だ。もっと量を多くしてもらえないか」との要望もあった。
これに対して市側は一つひとつ丁寧に答え、市の予算については総務部長の説明の後、高橋市長も補足するなど理解を深めてもらおうと真剣だった。住みよさを実感できない市民もいるのではとの質問に対しては「間もなく迎える厳しい冬のことを考えると住みよさに疑問も出てくるが、冬の雪は田畑を潤す水をもたらし、長い冬が野山の木々を育て、豊かな自然を維持させていると解釈し、環境という大きな視点に立てば、雪もまた住みよさに寄与していると考えられる」と答えていた。
介護保険の将来の負担についても「当然ながら将来とも皆さんの負担が増えないよう国に働きかけると共に公平で安心して暮らせる社会保険制度になるよう努めたい」と答えていた。学校給食の「味」については「人の嗜好には個人差があると思われるので、ご理解を願いたい」と逃げきり、「米飯中心の給食」については「多様な食文化を体験し、バラエティに富んだ給食形態が望ましい」と現状を維持する方針で答えた。給食の量については「特に米飯の場合はみんな同じ量を弁当箱に盛りつけるため、少ないと思う人もあれば多いと思う人もいるかもしれない。しかし、ご飯そのものの残量も多い」と給食の食べ残しを遠回しに注意した。そして放課後のエネルギーの補給は「現在の学校給食では放課後の部活を考慮して提供してはいない。学校や家庭で良い方法を協議してもらいたい」と解決方法を子どもたちに委ねた。
市の予算内容について質問した木村芳寿君は「一般会計当初予算153億円のうち市税収入がわずか40億円で、国からの地方交付税が市財政を支えているのを知った。もっと市税収入を増やすためにも人口を増やさなければいけないと思った。とても分かりやすい説明だった」と感想を述べていた。