県主催で初めて開催
点字を探りながらキーボード操作(11月19日・月)
秋田県では視覚障害者向けの「IT基礎技能講習会」を17日から、大曲市を皮切りにスタートさせた。目の見えない人、あるいは弱視の人にもパソコンやインターネットの楽しさを実感してもらい、コミニュケーションの世界を広げてもらいたいと初めて企画したもので、プラザ「たつみ」を会場に18日まで2日間にわたって開催した。応募のあった8人が講習を受けたが、目が見えないというハンディを乗り越えてキーボードを覚えようとする熱心さに講師も指導に力がはいっていた。
講習会は午前9時から午後4時までの6時間、ビッシリと行われた。参加人数分のパソコンが用意され、一人ひとりに市の広報を声で届ける活動をしている声のサークル「蓄音館」や点字図書の作成をしているボランティア「ほたる火の会」の人たちがサポーターとして手伝った。
パソコンには目の見えない人のために開発された音声ソフトが入れられ、すべて音声によって情報が伝わるようになっている。キーボードの配列は点字で読み込む。初日はパソコンへの電源の入れ方など基本操作に始まり、キーボードの配列を覚えることに時間を割いた。講師を引き受けた秋田市の株式会社セビアス代表取締役の佐藤雅春さんは「一般健常者と変わらぬスピードでキーボードの配列を覚えるのには驚いた」と話す。受講生たちは右手に点字のテキストを置いて、それを確認しながらキーボードの上にはられた点字シールを指で探りながら配置を覚え込んだ。
2日目はインターネットの利用と電子メールの受講だった。ヤフーに接続されると「芸術と人文」「ビジネスと経済」「趣味とスポーツ」など画面に出ている内容がすべて音声で読み上げられ、受講生はそれに耳を傾け、何を呼び出すかを熱心に聞き取ろうとする。サポーターのボランティアの人たちも隣で「見てみたいところはない?」と呼びかける。
「さあー。何を開いたらいいのか」と戸惑いながらも、これまで体験したことのなかった新しい情報が音声によって次々と届けられるインターネットの世界に未知の喜びを肌で感じていた。
福見町で「出町はりきゅうマッサージ治療院」を経営している出町吉春さん(55)は「インターネットを体験したいと前から思っていた。2日間の講習では覚えきれなかったが、これからは自分で学習して電子メールも打てるようにし、自分の世界を広げたい」と話す。
講習会は24、25日にもプラザ「たつみ」で開き、12月から2月まで横手市や湯沢市、鷹巣町、本荘市など県内各地で開催する。問い合わせは秋田市旭北栄町1?5、社団法人 秋田県視覚障害者福祉協会事務局(018−864−2783)へ。