かんぽ作文コンクール

郵政長官賞に輝く

田沢湖町神代中の佐藤奈津美さん(11月20日・火)

 郵政事業庁が全国の小学5・6年生と中学生を対象に募集していた「かんぽ作文コンクール」で大曲仙北から田沢湖町立神代中学校2年の佐藤奈津美さんの作品「生きていくこと」が、同庁長官賞に選ばれた。佐藤さんは22日、中央表彰式(東京)で表彰される。また大曲西中学校2年の小松久美子さんの作品「わたしの21世紀」は東北郵政局長賞に輝き、近く大橋信夫大曲郵便局長から伝達される。

 40回目を迎えた「かんぽ作文コンクール」は次代を担う小・中学生に郵便局の簡易保険の持つ相互扶助の精神を広めるとともにその資金が、学校、住宅、道路の建設など身近な分野に活用され、広く国民の福祉に寄与していることへの理解の浸透を図り、社会科教育や作文教育に役立てることを目的にしている。

 全国の小・中学生13万9163点の中から郵政事業庁長官賞に輝いた佐藤さんの作品は400字詰めの原稿用紙5枚からなり、食道ガンという重い病気に冒された祖父の辛い闘病生活を通じて得た尊い体験を綴ったもの。

 その中で佐藤さんは「生前、祖父が言った言葉があります。人は死ぬ時が来るまで決して諦めないで命を大切にしなければならないんだよ」と。その祖父が2年前に食道ガンで12時間もの長い手術を受け、自宅療養をしている時のある猛吹雪の日、ベッドで血を吐き、救急車で病院に運ばれる。

 「救急車を待つ間、『がんばれ』という祖母の言葉に『これでやっと楽になれるかもしれない。いっぱいがんばったから、今までありがとう』とすぐそばにいる祖母の手を探したそうです」。
 学校に迎えに来た兄と共に病院に向かった佐藤さんは「病室に横たわっている祖父は、もう別人のようでした。医者や家族に囲まれて、機械で呼吸をしていました。そして、間もなく静かに息をひきとりました。私は深い悲しみの中で、『死ぬ時が来るまで命を大切にしなければならない』と言う言葉を思い出していました」と書く。

 さらに「あんなにがんばっても病気に勝てなかった祖父。毎日書いていた日記帳の最後は、さよならの文字で終わっていました。字はとても乱れていて間近に迫った死を予期しながらも、家族にお別れしたかったのかと思うと、どうしようもなく悲しみがこみ上げてきました。祖父はたくさんの優しい思い出を残してくれました。そして、命のある限り頑張ることを教えてくれました。『生きていくこと』。祖父は私に人生の課題をくれました。どんな素敵な生き方が出来るか自分への挑戦です。『天国のおじいちゃん、応援していて下さい」と結んでいる。