仙北町の仙北中生も手伝いと勉強会
町の特産品としてお酒や餅菓子など需要も拡大(10月1日・月)
仙北町の仙北中学校2年生4人は1日朝、総合学習の時間を利用して同町で栽培されている古代米の稲刈りを手伝いながら、なぜ古代米作りを始めたのかなど農家の人たちの話を聞いて研究をした。古代米研究会の安部光夫会長ら5人のメンバーが生徒たちのために時間を割き、将来の農業の担い手でもある中学生たちの質問に嬉しそうに答えていた。
安部さんは1992年に大曲市四ツ屋の東北農業試験場水田利用部(現・東北農業研究センター大曲キャンパス)から、古代米として知られるもち米の「朝紫」の種子を譲り受け、10アールの田んぼを使って試験栽培を始めた。きっかけは、転作面積が増加し、経営安定のためには「あきたこまち」オンリーの栽培から脱皮すべきだと決心。そして町には国指定史跡「払田の柵」があり、安部さんの田んぼは横堀地区の「星宮(ほしのみや)遺跡」の近くでもあることから、古代のイメージにふさわしいものを栽培したいとこだわった。
当初は安部さん一人だったが、町とJA秋田おばこ仙北支所も「史跡の町にふさわしい特産品になるのではないか」と後押しし、古代米を加工用に使うことを考えた。
古代米の「朝紫」は2?3000年前に中国大陸から伝来し、古代日本では神事などに用いられたという。紫黒米(しこまい)と赤米があり、白米に比べビタミン類や鉄、カルシウムなどの無機成分が多量に含まれ、栄養価も高い。さらに染料にもなるなど用途が多様なことから、農協婦人部農産加工部会がアイディアを凝らし「黒米めん」や「干し餅」「餅菓子」など特産品を次々と生み出した。
さらに町とJAでは古代米を使ったお酒はできないかと96年に同町の秋田清酒株式会社に話を持ち込んだ。「払田の柵」の銘で酒を造りたいと考えていた伊藤辰郎社長がこれに乗って、赤米を原料に南外村の出羽鶴酒造で醸造。古代米仕込みの純米酒「払田の柵」を誕生させた。ワインのようなピンク色の酒は甘い飲み口で女性に喜ばれ、「平成12年度優良ふるさと食品コンクール」で農林水産大臣賞に輝いた。
こうしたこともあって古代米の需要は増え、50代から60代のグループ11人で「古代米研究会」を発足させ、作付面積も10ヘクタールにまで拡大した。
勉強に訪れた仙北中生4人は安部さん宅の田んぼに入ってまずは稲刈りから始めた。刈り取った稲は黒米の品種。黒米と言うように稲穂は普通の稲に比べ、全体的に黒っぽい。中学生が勉強に来るとあって仲間5人が集まり、鎌を手に稲刈りをする中学生たちを指導した。残念ながら雨のため実際の稲刈りは30分ほどで中止とし、近くの児童館に移動して勉強会となった。
中学生たちは「どうして古代米を栽培することになったのか」「普通の米との違いは」などと熱心に質問。安部さんらは「あきたこまちなど他の品種と混じらないよう苗作りの段階から気を使う」、「田植えしてからも倒伏しないよう肥培管理が難しい」「前の年にあきたこまちを植えた田んぼに古代米を植えると、その品種もいっしょに発芽してくるので混ざらないよう一本一本、手抜き作業が必要だ」など古代米の栽培管理の難しさを説明していた。