「院内銀山の日々『門屋養安日記の世界」
秋田県の民謡CD−ROM発行の祝賀会(10月8日・月)
田沢湖町の財団法人・民族芸術研究所(小向鉄郎理事長)の茶谷十六所長の著「院内銀山の日々『門屋養安日記の世界』」の出版とCD−ROM「秋田県の民謡」の発行を祝う会がこのほどたざわこ芸術村の温泉「ゆぽぽ」で開かれた。
院内銀山の日々は江戸後期、雄勝町にあった秋田藩経営の院内銀山のお抱え医師として銀山町に居住した門屋養安が天保6年(1835年)から明治2年(1869年)までの35年間にわたって、ほとんど毎日書き残した日記を現代によみがえらせ、秋田魁新報夕刊紙上に1998年4月16日から2000年3月13日まで、200回にわたって連載したのを一冊にまとめたもの。銀山の経営、技術、物資の流通、病気と治療、祭り、行事や芸能、さらには天変地異、そして日常の衣食住などを医師であり、宿屋の経営者でもあった門屋養安が温かく、細やかな筆遣いで書き留めた。その日記は、幕末秋田の実相を生き生きと現代に伝えたとして好評を博した。
茶谷さんは1941年生まれで石川県出身。金沢大学法文学部史学科卒。高校教師をつとめた後、69年に民族歌舞団わらび座に入座。民族芸術研究所員として各地の芸能調査と民衆史・芸能史・民衆文化史の研究を続けている。
一方、CD−ROM「秋田県の民謡」は、県が文化庁の助成を得て行った「民謡緊急調査」の録音テープを同研究所がデジタル化したもの。県内の民謡1001曲を収録し、パソコンで検索・鑑賞できるようにしたもの。
県の調査は1986年から87年の2年間にわたって行った。延べ50人の調査員が県内全市町村を回って地元の古老らから歌ってもらい、1055曲を64巻のカセットテープに収録していた。しかし、年月の経過と共にテープの劣化が進み、その保存方法を検討していたところへデジタル技術部門を持つ「たざわこ芸術村」の同研究所からCD−ROM化しての出版の提案があった。
県では実際に歌ってテープへの録音に協力してくれた人たちから出版への承諾をもらったり亡くなった人の場合は遺族からの承諾を取り付けるなどして出版へこぎ着けた。CD?ROMには職業的な民謡歌手の歌ではなく、仕事や生活の中で歌ってきた人びと400人ほどの歌が収録され、それがパソコンの検索機能によって曲名別一覧や分類別一覧、市町村別一覧で瞬時に歌が聴ける機能や「筏(いかだ)節」「田沢おばこ」「鉄道びだづぎ歌」など貴重で珍しい歌も多数収録されている。番楽やささらなど民俗芸能の歌や子守歌・わらべ歌も含まれ秋田県民謡の魅力を堪能できる素朴で味わい深い歌が永久保存版として楽しめる。
「院内銀山の日々『門屋養安日記』の世界」は定価1700円(税別)。秋田県の民謡は一枚5000円(税別)。問い合わせ申し込みは〒014−1192、仙北郡田沢湖町卒田字早稲田430、たざわこ芸術村 財団法人「民族芸術研究所」(0187−44−3903)へ。